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日鉄と政府「買収」表現避ける動き…トランプ氏「日鉄の株過半数保有はない」

読売新聞 / 2025年2月11日 5時0分

共同記者会見に臨むトランプ米大統領(7日、ワシントンのホワイトハウスで)=須藤菜々子撮影

[対トランプ 日本の課題]<中>

 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画は、「買収」ではなく「投資」――。日米首脳が合意した。林官房長官は10日の記者会見で「日米がウィンウィン(共存共栄)になれるような、これまでとは全く異なる大胆な提案を(日鉄が)検討している」と語った。

 日鉄の計画はUSスチールの完全子会社化だったが、バイデン米政権は禁止命令を出していた。関係者によると、石破首相とトランプ大統領による首脳会談で事態を打開するため、1月から提案内容を具体化させた。調整したのは経済産業省と外務省。首脳会談のテーマとなることが固まりつつある中、政府と日鉄との間で「買収」の表現をできるだけ避ける動きができあがっていったとみられる。

 伏線は日鉄も張っていた。今月6日の決算記者会見で、米国での交渉を担当している森高弘副会長は「スキーム(計画)を変える選択肢はない」としつつも、買収を巡る質問に対して「合併」という言葉を使って回答した。日鉄関係者は「年明け以降、社内資料で『買収』という文字が消えた。日鉄とUSスチールが対等の関係だと示すことで、交渉を円滑に進めるためだった」と明かす。

 ただ、「投資」の具体的な内容は「まだ流動的」(日本政府関係者)だ。

 トランプ氏は9日、「日鉄がUSスチール株の過半数を保有することはない」と明言した。首相も読売新聞のインタビューで「民間企業に政府として介入するつもりはない」としながらも「(完全子会社化の見直しも)可能性としてはある」と言及した。

 日本政府関係者は「一貫して買収計画を否定していたトランプ大統領が反対と言わなかったことが大きい。日鉄が従来の買収のスキームとは違うアプローチをすることになる」と解説する。投資額の大幅な積み増しに加え、出資比率の引き下げを迫られる可能性もある。

 ただ、仮に日鉄の出資比率を50%以下に抑えることになれば、USスチールの経営権を握れず、日鉄の意に沿う投資ができなくなったり、日鉄の技術が外部に流出したりする懸念が生じる。

 トランプ氏は自ら日鉄幹部と面会する考えを示す。日鉄は橋本英二会長が参加する見通しで、これに先立って森氏が週内にも渡米し、調整する。日本の民間企業トップが米大統領と話し合う異例の会談となる。

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