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トランプ氏の威圧的イメージ「実像は違う」…石破首相インタビュー「良好な日米関係作る意思感じた」

読売新聞 / 2025年2月11日 11時40分

日米首脳会談について、インタビューに答える石破首相(9日、首相公邸で)=川口正峰撮影

 米国のトランプ大統領との首脳会談に臨んだ石破首相は9日の読売新聞のインタビューで、安全保障と経済連携で幅広く認識を共有した成果を語り、トランプ氏とのいっそうの関係強化に意欲を示した。(聞き手 海谷道隆)

 ――トランプ氏と個人的な信頼関係は構築できたか。

 一朝一夕に作れるものではないが、「もう一回会って話したい」という感じを持てたのはすごく意味のあることだ。トランプ氏からも「日米関係を良くしていかないといけない、首脳同士がいつでも話ができる関係を作っておかないといけない」という意思は感じた。

 トランプ氏は威圧的で強権的だというイメージが作られているところがあるが、実像は違うと思う。「『Make America Great Again(米国を再び偉大に)』は、ラストベルト(さびついた工業地帯)の忘れ去られた人々に対する思いやりではないだろうか」という話をした時の「わかってくれているのか」という所作などに人間味を感じた。

 ――日米同盟の重要性について理解は得られたか。

 在日米軍基地は単なる前線基地ではない。米国が世界に対して色々な力を行使しうる基盤だということについては十分理解が行き届いたのではないか。

 ――共同声明には、日本が安保関連費を国内総生産(GDP)比で2%に引き上げる2027年度以降も抜本的に防衛力を強化すると明記した。GDP比2%超も視野に入れているのか。

 防衛費は他国に言われて増やしたり、減らしたりするものではない。必要な積み上げの結果として、その数字に到達することもあるだろうが、達しなかったとしても防衛力が強化されるのであればいい。

持論控え「信頼構築」優先

 ――持論の日米地位協定の改定など日米同盟の在り方に関する議論はしたのか。

 最初から非常に難易度が高い、議論を必要とするものをぶつけ、話が終わってしまえば前に進まない。地位協定改定を含め同盟の信頼性をより向上させる必要性は今も感じている。会談を重ね、信頼関係を強化し、認識を共有した時にタイミングが来るだろう。

 今回は限られた時間の中で何が必要かと考えた。日本が地域の平和と安定のために誠実に努力をしてきたことをトランプ氏に認識してもらい、日米豪印の4か国による枠組み「Quad(クアッド)」や日米韓などの枠組みの重要性を共有することが目的だった。

 ――会談でトランプ氏の中国への認識は見えたか。

 一方的に中国を敵視するということではないが、力による一方的な現状変更を認めないということははっきりしている。その大前提のもとに色々なディール(取引)もあることは否定されないということだろう。

 ――トランプ氏は北朝鮮を「核保有国だ」と発言したことがあるが、拉致と核・ミサイル問題を包括的に解決するとの日本政府の立場とずれはなかったか。

 北朝鮮の非核化は日米ともに追求していかないといけないと一致した。拉致問題は我が国が主体性を持って解決していかないといけないが、トランプ氏が北朝鮮の金正恩キムジョンウン朝鮮労働党総書記と接する時に、拉致問題に言及するのは非常に意味がある。

 ――日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画の修正案を提示した。

 トランプ氏の製造業を復活させたいという思いの象徴が鉄だ。米企業であり続けることと日本の投資によって鉄の品質が非常に向上する。精神的な意味、実利の面の二重に大事なことがトランプ氏の心に響いたのではないか。どこまでが買収でどこからが投資かという法律論的な詰めはこれから行われることになる。

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