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マスク氏、オープンAIに買収提案…アルトマン氏は「あなたが望むならツイッター買収します」と逆襲

読売新聞 / 2025年2月11日 11時30分

イーロン・マスク氏(ロイター)

 【ニューヨーク=小林泰裕】米実業家のイーロン・マスク氏が率いる投資家グループは10日、対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」を開発したオープンAIに対し、973億7500万ドル(約14・8兆円)で買収提案を行ったと発表した。「マスク氏こそがオープンAIの技術を保護し、発展させる最適な人物だ」と主張している。

 発表によれば、マスク氏はオープンAIの経営を管理する非営利団体を買収し、経営権を握る方針だ。サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)がオープンAIの営利企業化を進めている点を批判し、「オープンAIを安全性重視の企業として再構築する」と主張している。

 投資家グループにはマスク氏が率いるAI開発企業「xAI」も名を連ねており、買収後にオープンAIと合併させる構想もあるとみられる。買収金額をさらに引き上げることも検討しているとしている。

 アルトマン氏は10日、X(旧ツイッター)で「(買収は)お断りだ。むしろ、あなたが望むならツイッターを97億4000万ドルで買収します」とマスク氏に反論した。

 マスク氏とアルトマン氏は2015年に共同でオープンAIを設立したが、近年は対立を深めている。

 マスク氏が18年にオープンAIの経営から離れた後、アルトマン氏はオープンAIの営利企業への転換を検討するなど営利追求の姿勢を強めている。

 マスク氏は、人類のために安全なAIを開発するというオープンAIの理念に共感し、創業当初に数千万ドルを投資するなどの支援を行った。しかし、オープンAIが当初の理念から逸脱した経営を行って欺いたとして、アルトマン氏らを提訴して損害賠償などを求めている。

 英紙フィナンシャル・タイムズなどによれば、オープンAIはその非営利団体に対する買収を受け付けておらず、マスク氏の提案の実現可能性は高くないという。むしろ、オープンAIの営利企業への転換を妨害することが目的だとの見方を紹介している。

 オープンAIはソフトバンクグループ(SBG)などと共同で1月、データセンターなど米国内のAIインフラ整備に4年で5000億ドル(約76兆円)を投資すると発表した。この計画はトランプ米大統領も支援を表明しているが、トランプ氏の側近であるマスク氏はこの計画の実現可能性に異議を唱えている。

 また、オープンAIは今月3日、SBGと折半出資で合弁企業を設立し、日本企業に最先端AIを提供する「クリスタル・インテリジェンス」事業を開始すると発表した。

 マスク氏による買収が実現した場合、SBGとの米国での巨額投資や、日本でのサービス展開の計画が変更を迫られる可能性がある。

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