収賄罪に問われたＮＹ市長、司法省が「起訴取り下げ」指示…無罪主張しトランプ氏に接近

アダムズ氏＝ＡＰ

　【ニューヨーク＝山本貴徳】米司法省は１０日、ニューヨーク州の連邦検察に対し、ニューヨーク市のエリック・アダムズ市長（６４）に対する起訴を取り下げるよう指示した。市長は、トルコ政府関係者らに便宜を図った見返りとして、豪華な海外旅行の費用を負担してもらったなどとして、収賄罪などに問われていた。

　司法省は連邦検察に送った文書で、市長がバイデン政権の移民政策を批判した後に起訴されたことなどを挙げ、訴追のタイミングが公正な手続きの信頼性を脅かしたと指摘した。また、市長が訴追によって不法移民対策に十分に取り組めなくなっていると説明した。

　今年１１月の市長選後に、連邦検事が再検討するまでは、新たな捜査や訴追も行われないとした。

　アダムズ氏は昨年９月に起訴されたが、無罪を主張していた。トランプ大統領との関係構築が話題となっており、トランプ氏自身も恩赦の可能性を検討すると表明していた。