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台湾周辺で中国軍機が倍増、頼政権を「独立工作者」と敵視し威圧強まる…艦船も1・6倍

読売新聞 / 2025年2月12日 5時0分

中国軍の戦闘機「J16」。台湾周辺での活動が活発となっている=台湾国防部提供

 【台北=園田将嗣、北京=東慶一郎】台湾周辺の空域に進入した中国軍機の数が昨年5月に台湾で民進党の頼清徳ライチンドォー政権が発足して以降、1日平均で前政権時代の約2・1倍に増えたことが、読売新聞による台湾国防部(国防省)発表資料の分析から明らかとなった。中国側が「独立工作者」として特に敵視している頼総統に対し、軍事的な威圧を強化している実態がデータで裏付けられた。

 台湾国防部は民進党の蔡英文ツァイインウェン前政権2期目後半の2022年8月6日以降、台湾周辺で確認された中国軍機と艦船数を同時に「海・空域動向」として毎日発表しており、今年1月末までの内容を分析した。

 中国本土と台湾の間にある台湾海峡では、中間線が事実上の中台境界線となってきた。中間線を越えたり、台湾が主張している「防空識別圏」(ADIZ)の中で台湾周辺の空域に入ってきたりした中国軍機の数は、蔡政権時(22年8月6日以降)が1日平均5・0機だったのに対し、頼政権時には10・6機に倍増した。

 この空域を含むさらに広いエリアで確認された中国軍機数は、1日平均13・6機から15・5機への微増だった。中国軍が台湾に近い空域での飛行を増やしていることがうかがえる。

 台湾海峡など近海で確認される中国艦船数も、同期間に1日平均5・2隻からおよそ1・6倍の8・1隻に増えた。頼政権発足後は、中国の「第2の海軍」といわれる海警局の船も頻繁に含まれるようになった。

 24年5月と10月に頼総統が演説で中国に触れた後、中国軍は台湾を包囲して演習を行っており、多数の航空機や艦船の動員がデータから読み取れる。最近は台湾の東側や南側での活動が目立つ。台湾国防部は読売新聞の取材に「外国に対して台湾海峡の『内海化』を誇示し、台湾をどう喝する意図がある」と分析した。

 中国の習近平シージンピン政権は中台関係の現状維持を掲げた蔡氏と比べ、行政院長(首相)時代に自らを「実務的な台湾独立工作者」と言い切った頼氏を特に敵視している。

 中間線 1954年に米国と台湾の間で締結された「米華相互防衛条約」(その後失効)に基づき、米軍が台湾海峡で設定した。台湾を領土の一部と主張する中国は、存在を否定している。

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