1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

ネットカジノ 「違法と知らず」は通用しない

読売新聞 / 2025年2月12日 5時0分

 スマートフォンを使って軽い気持ちでオンラインカジノに手を出し、深みにはまる若者らが後を絶たない。違法性を周知するとともに、利用者や運営側の摘発を強化すべきだ。

 国内から海外のオンラインカジノサイトに接続して賭博をしたとして、警察は、東京五輪卓球男子団体の銅メダリスト丹羽孝希容疑者を書類送検した。暗号資産(仮想通貨)を元手に賭けをした疑いがもたれている。

 丹羽容疑者は、インターネット上の広告を見てカジノを利用したといい、「違法だと知らなかった」と話しているという。

 吉本興業の所属タレント2人も同様にカジノを利用した疑いで、警視庁の事情聴取を受けた。

 日本では、競馬や競輪などの公営ギャンブル以外に賭けをすると、賭博罪にあたる。海外で合法的に運営されているオンラインカジノも、日本で利用すれば違法となる。こうしたことを知らずに利用する人が多いのだろう。

 全国の警察が昨年摘発したオンラインカジノの利用者は160人を超え、前年の3倍に増えた。

 オンラインカジノは、スロットやルーレット、プロスポーツの勝敗などが賭けの対象になる。国内利用者はコロナ禍の外出自粛を機に急速に増えたとされ、300万人を超えたとも推計される。

 スマホでいつでも利用できるため、依存症に陥りやすい。借金を重ねた利用者がSNSの「闇バイト」に応募するなど、犯罪を拡大させている状況もある。放置できない深刻な事態である。

 警察は、賭け金のやり取りを仲介する「決済代行業者」を数多く逮捕している。カジノ収益を資金洗浄するマネーロンダリング事件の摘発にも取り組んできた。

 しかし、オンラインカジノの運営会社は、海外で合法的に事業を展開しているケースもあり、摘発が難しい。日本の若者らが次々と違法な賭博にかかわり、後戻りできない状態に追い込まれている現状を変えなければならない。

 警察は、引き続きカジノ運営会社の資金の流れを断ち、違法な賭博の広がりに歯止めをかけることが重要だ。日本でのカジノ利用が犯罪にあたると知らない人たちには、SNSなども通じて、啓発に努めることも欠かせない。

 オンラインカジノの多くは、日本語で「安心・安全」「合法だ」と宣伝している。政府は実態を調べ、違法性が認定されれば、ネット事業者らに削除を促すなど厳しく対応する必要がある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください