トランプ氏に贈られた金色の兜、注文殺到２年待ち

石破首相がトランプ米大統領に贈ったものと同じ兜（１０日、鳥取市で）＝久保田万葉撮影

　日米首脳会談で石破首相がトランプ大統領に贈った金色の兜（かぶと）飾りが注目を集め、提供した石破首相の地元・鳥取県の人形店に問い合わせが殺到している。

　兜は、鳥取市の老舗人形店「人形のはなふさ」が扱う「亜麻色縅満天金星兜（あまいろおどしまんてんきんぼしかぶと）」（税込み１６万８０００円）。金属を加工して制作した端午の節句用の兜で、両側の「吹き返し」には子孫繁栄や長寿を表す唐草文様を入れた。金色には「永遠の輝きを放つように」との思いが込められている。

　外務省から昨年１１月、「海外への土産用に、着用できる金色の兜はないか」と連絡があり、準備した。店は、トランプ大統領に贈られる品だとは知らされていなかったという。

　会談後、兜の大きさや種類について問い合わせる電話が、１日５件程度から約１００件に急増。米国や韓国からも電話があった。店のオンラインサイトのアクセス数も１日１００回程度から約２万回に増えた。

　「縁起がいいので会社に置きたい」などと注文が殺到し、購入は約２年待ちだという。英（はなふさ）智哉社長（３８）は「日本の伝統文化を知ってもらい、良好な日米関係を結ぶきっかけになればうれしい」と笑顔で話した。