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1億光年離れた銀河団から地球へ吹く高温ガス…JAXAの天文衛星が確認、宇宙の成長解明につながるか

読売新聞 / 2025年2月13日 1時0分

高温ガスの風が吹いているケンタウルス座銀河団中心部の想像図=JAXA提供

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の天文衛星「XRISMクリズム」が1億光年離れた「ケンタウルス座銀河団」を観測し、高温ガスが地球に向かって風のように吹いていることを確認したと、東京都立大などのチームが発表した。高温ガスの速度は最大で秒速310キロ・メートルあり、銀河団や宇宙の成長に関係する可能性があるという。論文が13日、科学誌ネイチャーに掲載される。

 銀河団内部には数千万度もの高温ガスが広がり、電磁波の一種「X線」を放出している。本来はX線と共にエネルギーが放出されて温度も下がるはずだが、高温が維持されるメカニズムは不明だった。

 X線で宇宙を観測するXRISMは、地球から比較的近いケンタウルス座銀河団を観測。X線の波長を解析して高温ガスの動きを調べた結果、秒速130~310キロ・メートルもの速度で吹いていることを突き止めた。

 同銀河団中心には、巨大ブラックホールがあるとされる。チームは、高温ガスの風がブラックホールのエネルギーをかき混ぜて熱を伝え、高温を維持しているのではと見る。銀河団は銀河団同士の衝突・合体で成長すると考えられており、チームの藤田裕・都立大教授は「銀河団の衝突で高温ガスが揺さぶられ、風になった可能性がある」と話す。

 滝沢元和・山形大教授(宇宙物理学)の話「銀河団同士の衝突が中心部の加熱に影響していることを示唆する成果で大変興味深い。ほかの銀河団でも同様な傾向かどうか更なる観測が望まれる」

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