ウクライナのNATO加盟、トランプ氏「現実的ではない」…終結交渉開始に合意も領土一部放棄を示唆
読売新聞 / 2025年2月13日 11時42分
【ワシントン=阿部真司】米国のトランプ大統領は12日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ロシアのウクライナ侵略終結に向けた交渉を始めることで一致した。トランプ氏はこの日、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟やウクライナの全領土奪還に否定的な考えを示した。バイデン前政権の政策を転換させ、ロシアに譲歩する姿勢を見せた。
トランプ氏は電話会談後、ホワイトハウスで記者団の取材に応じ、ウクライナのNATO加盟について「現実的ではない」と語った。領土を全て回復できると思うかを問われ、「可能性は低い」と述べ、ウクライナは領土の一部を放棄せざるを得ないとの認識を示した。
プーチン氏とはサウジアラビアで会談すると明かし、「そう遠くない将来だ」と述べた。ウクライナ侵略は24日で開始から3年となり、戦争終結に向けた道筋をつけられるかどうかが今後の焦点となる。
トランプ氏はプーチン氏との電話会談後、「戦争による大勢の死を防ぎたいという考えで一致した」と自身のSNSに投稿し、両首脳の相互訪問を含め緊密に協力する方針を確認したと明らかにした。戦争終結に向け、「交渉をただちに開始することで一致した。成功すると確信している」と強調した。
ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領府報道官によると、会談は約1時間半に及び、トランプ氏はウクライナでの「敵対行為の早期終結を支持する」と語った。一方、プーチン氏は「ウクライナ紛争の根本原因に対処する必要がある」と指摘した。プーチン氏は、トランプ氏を首都モスクワに招待する考えも伝えた。両首脳は中東情勢やイランの核開発問題、米露の2国間関係も協議したという。
トランプ氏はこの後、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と約1時間電話で会談し、プーチン氏との協議内容を説明した。トランプ氏は会談後、SNSで「ゼレンスキー氏はプーチン氏と同様、平和を望んでいる」と述べ、「このばかげた戦争を止める時が来た」と強調した。
ウクライナ大統領府によると、トランプ氏とゼレンスキー氏は「平和達成の可能性とその目標に向かってチームレベルで協力する意思」について話し合った。両氏は協議の継続でも一致した。
ゼレンスキー氏は12日夜のビデオ演説で「真の平和に近づくために我々がどのように協力できるかについて、(トランプ)大統領が寄せた関心に感謝する」と述べた。「我々は、米国にはロシアとプーチンに圧力をかけ、平和を実現させる力があると信じている」とも語った。トランプ氏の指導力に期待しつつ、交渉の過程で対露圧力を弱めることを警戒しているとみられる。
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