カナダ中銀、コロナ抑制策解除後は物価に下方圧力=副総裁
ロイター / 2020年5月21日 6時18分
カナダ銀行(中央銀行)のティモシー・レーン副総裁は20日、新型コロナウイルス感染抑制策の解除後は、物価に対する下向き圧力が出てくる公算が大きいと中銀は予想していると述べた。トロントで3月撮影(2020年 ロイター/CARLOS OSORIO)
[オタワ 20日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のティモシー・レーン副総裁は20日、新型コロナウイルス感染抑制策の解除後は、物価に対する下向き圧力が出てくる公算が大きいと中銀は予想していると述べた。
カナダ中銀は新型ウイルス感染拡大を受け、これまでに3回の利下げを実施。政策金利は現在0.25%と過去最低水準近辺にあるが、レーン副総裁の発言で中銀が利上げを急がない公算が大きいことが示された。
レーン副総裁はテレビ会議形式で行った講演で、新型ウイルス危機終息後はカナダの需要と供給はともに危機前より弱体化すると予想。感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)などの措置で生産性が低下していることはインフレ上昇につながるが、企業・消費者信頼感の低下に起因する需要の低迷がもたらす影響の方が大きく作用すると中銀の分析で示されていることから、総合するとインフレに対する下向き圧力が出てくる公算が大きいと述べた。
その上で、第2・四半期の経済成長率は2019年終盤と比べマイナス15─30%になる公算が大きいとし、新型ウイルス危機に起因するさまざまな衝撃でカナダの生産能力は深く長期的なダメージを受ける恐れがあると指摘。「内外の景気回復は間欠的なものになるリスクがある」とし、ガソリンや旅行の需要低下など、消費者行動が変化すると予想される中、公式なインフレ指標の意味は薄れていくとの見方を示した。
中銀は4月、第2・四半期のインフレ率はゼロ%近辺に低下する可能性があると予想。統計局がこの日に発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.2%下落と、2009年9月以降で初のマイナスとなった。
オーバーナイト・インデックス・スワップ市場では、カナダ中銀が年内は金利を据え置くとの見方が示されている。
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