NY検察、トランプ大統領元側近バノン氏起訴 壁建設巡る詐欺容疑
ロイター / 2020年8月21日 8時51分
[20日 ロイター] - 米ニューヨーク州南部地区の連邦検察は20日、元米大統領首席戦略官のスティーブ・バノン氏を詐欺の疑いで逮捕・起訴した。バノン氏は2016年大統領選挙でのトランプ氏勝利の立役者。トランプ氏が公約に掲げた、メキシコからの不法移民を防ぐ国境の壁建設のために集めた資金をだまし取ったという。
バノン被告はマンハッタンの連邦地裁に出廷し、無罪を主張した。500万ドルの保釈金を支払い、海外渡航禁止の条件のもとで保釈された。
連邦地検によると、バノン被告は「われわれは壁を建設する(We Build the Wall)」と名付けられた総額2500万ドルのクラウドファンディングを通して大勢の献金者に対する詐欺行為を行った罪で、他の3人と共に起訴された。バノン被告は大統領首席戦略官を2017年8月に解任されている。
検察は通信詐欺や資金洗浄(マネーロンダリング)を罪状にあげた。有罪になれば、最長で40年の禁錮刑が科せられる可能性があるが、実際の刑期はそれよりもはるかに短いとみられる。
検察によると、バノン被告は集められた資金のうち数十万ドルを個人的使途に充てたという。
当局によると、バノン被告はコネチカット州でヨットに乗船中に逮捕された。
トランプ大統領は記者団に対し「非常に残念に思う」と述べ、「何年も、文字通り何年も彼とは関わってなかった」と強調した。
トランプ氏の元側近で逮捕・起訴されたり有罪判決を受けたのはバノン氏が8人目。他の7人にはトランプ陣営の元選対部長のポール・マナフォート氏や元大統領補佐官のマイケル・フリン氏が含まれる。
2016年の大統領選の主要公約だった国境の壁建設は、一連の訴訟や技術的な問題、議会の反対などで停滞しており、政府の公表資料によると、3200キロに及ぶ国境地帯でフェンスが新設されたのは48キロ、新しいものと交換されたのは386キロにとどまっている。
バノン氏の関連団体はニューメキシコ、テキサス両州の私有地の2区域に壁を建設したが、地元住民からは批判の声が出ていた。
トランプ氏は20日、「このプロジェクトについては何も知らない」とし、「記事で読んだときは気に入らなかった。民間人ではなく政府がやるべきだと感じた」と語った。
しかし、自身の16年大統領選の主要公約だった国境の壁建設に絡む詐欺事件であることから、11月の大統領選までわずか3カ月を切る中、再選を目指すトランプ大統領にとっては痛手となる可能性がある。
バノン氏を起訴したニューヨーク州南部地区の連邦検察は、トランプ氏の顧問弁護士だったマイケル・コーエン受刑者も起訴している。バー司法長官は6月に突然、同検察のジェフリー・バーマン検事の辞任を発表した。
*内容を追加しました。
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