WHO、コロナ入院患者の治療でレムデシビル使用推奨せず
ロイター / 2020年11月20日 11時21分
11月20日 世界保健機関(WHO)は米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」について、症状の重さにかかわらず、新型コロナウイルス感染症の入院患者による使用は推奨しないとの指針を出した。写真は4月8日、ドイツのハンブルグにあるエッペンドルフ大学病院の会見で撮影(2020年 ロイター/代表撮影)
[ロンドン 20日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は20日、米ギリアド・サイエンシズ
指針は「患者にとって重要な致死率低下や人工呼吸器の必要性、臨床的な改善まで要する時間などについて、レムデシビルの投与で結果が改善したという証拠がない」とした。
レムデシビルは初期の治験で有望な結果が示されたため、コロナ感染症の有効な治療薬になる可能性があるとして今夏に世界的に注目を浴びた。しかし、WHOの指針によって優位性が低下するとみられる。
ギリアドは10月末にレムデシビルの売り上げを予想するのは困難だとし、通年の売上高見通しを引き下げた。
同薬はコロナ患者を治療するために世界で承認されている2つの治療薬の1つ。ただ、WHOは10月、自らが主導した大規模治験でレムデシビルがコロナ感染症の治療で入院期間や死亡率にほとんど影響を与えないことが分かったと報告していた。
レムデシビルは、トランプ米大統領が最近新型コロナに感染した際にも投与されていた。
ギリアドはWHOの治験結果に疑問を呈している。
WHOのガイドライン策定グループ(GDG)は今回の指針はコロナ入院患者7000人以上が被験者となった4つの国際的な無作為試験のデータなどの検証に基づいていると説明した。
集中治療医を代表する欧州集中治療医学会(ESICM)のジョゼフ・ケセシオグル会長も13日、レムデシビルはコロナ感染の重症患者に対する日常的な治療として使用されるべきではないと述べている。
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