永城煤電のデフォルト、中国債券市場の欠陥を浮き彫り
ロイター / 2020年11月20日 19時48分
中国当局が国有石炭会社の永城煤電控股集団の債務不履行(デフォルト)について調査を始めたことで、中国の社債市場が抱える問題が明るみに出る形となった。写真は2017年5月撮影(2020年 ロイター/Thomas White)
[上海 20日 ロイター] - 中国当局が国有石炭会社の永城煤電控股集団の債務不履行(デフォルト)について調査を始めたことで、中国の社債市場が抱える問題が明るみに出る形となった。
同済大学のWang Qian教授(金融)は、債券投資家の最近の「質への逃避」は債券市場のインフラの欠陥を浮き彫りにしたと指摘した。銀行が融資先の企業が発行する債券を引き受け、企業はその資金を借り入れの返済や借り換えに回すという銀行間市場の一般的なモデルに疑問が投げ掛けられたという。
ある債券ファンドマネジャーは「一部の銀行は融資したくない企業の債券を引き受けている」と語った。
Wang氏は、企業は借り入れの返済ではなく、事業活動のために債券を発行すべきと述べた。
<国内格付けの信頼低下>
また最上級の「トリプルA」格付け取得していた永城煤電の債券がデフォルトとなったことで、中国の格付けビジネスの評価が一段と低下するとの見方を示した。
デフォルトした債券の9割以上は返済不能となった時点の格付けが「A」「ダブルA」「トリプルA」などとなっており、債券価格が押し上げられていたという。
シティ・リサーチの中国担当チーフエコノミスト、Ligang Liu氏は格付け機関が発行体の信用力を正直に示さなければ、投資家を誤解させていることになると指摘した。
これが世界の投資家が中国のソブリン債に殺到する一方で、利回りの高い中国の社債を避けている理由の一つとなっている。
ロベコ(香港)のシニア信用アナリストTiansi Wangは中国本土の市場には投資しないと述べ「市場でリスクのプライシングが正しく機能していない」ことを理由に挙げた。
(Samuel Shen記者、Andrew Galbraith記者)
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