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海運業界が緊急フーシ派対策を要請、紅海沈没2隻目で

ロイター / 2024年6月20日 14時2分

紅海航行中のギリシャ船籍の石炭運搬船「チューター」がイエメンの親イラン武装組織フーシ派の攻撃を受けて沈没した事件を受け、国際海運会議所(ICS)など国際海運の業界団体は19日、紅海周辺に影響力を持つ諸国政府に船員と航海の安全を確保する緊急行動を求める共同声明を発表した。写真は「チューター」の乗員を救助する米海軍水兵。15日撮影。提供写真。(2024年 ロイター/U.S. Naval Forces Central Command/U.S. 5th Fleet/Handout via REUTERS/File Photo)

Jonathan Saul

[ロンドン 19日 ロイター] - 紅海航行中のギリシャ船籍の石炭運搬船「チューター」がイエメンの親イラン武装組織フーシ派の攻撃を受けて沈没した事件を受け、国際海運会議所(ICS)など国際海運の業界団体は19日、紅海周辺に影響力を持つ諸国政府に船員と航海の安全を確保する緊急行動を求める共同声明を発表した。

共同声明は「世界に暖かさや食糧、衣類を届けるという重要な仕事を担っているだけの罪のない船員が攻撃されているのは悲しむべきことだ」と強く抗議。その上で「今すぐに攻撃を止めなければならない。この地域に影響力を持つ国々に対し、船員を守り速やかに紅海で起きている事態が落ち着くことを求める」と緊急行動を要請した。

紅海は世界貿易の主要ルートの1つ。イスラエルとイスラム組織ハマスの武力衝突が昨年10月に始まって以降、フーシ派はパレスチナ自治区ガザのパレスチナ人との連帯を掲げ、70回以上も航行中の商船を攻撃。船員は殺害されたり、今も捕らわれたままだったりするほか、沈没に至ったのはチューターで2隻目となる。

チューター沈没で複数の情報筋は、ミサイルと爆発物を積んだ遠隔操作ボートを使った攻撃だったと明らかにしている。

こうしたことから、海運保険業界では「攻撃用ドローンボート」に懸念が高まっている。防御が難しく、喫水線を攻撃するため、従来の甲板や上部構造への攻撃よりも船舶に致命的になる恐れがあるためだ。

ペン・アンダーライティング傘下で海上輸送に関わる戦争リスクに特化した保険を扱う英ベッセル・プロテクトの業務責任者、マンロー・アンダーソン氏は「無人水上船による初めての(攻撃)成功」と指摘。商船航行に新たな難題が降りかかっていると述べた。

また複数の保険業界の関係者らによると、紅海を航行する船舶に支払われる追加の戦争リスク保険料は、最近は年初の上乗せ水準をやや下回って推移していたものの、フーシ派の攻撃で沈没した商船が2隻となったことを受けて保険料が上昇し、航海ごとに数十万ドル追加される可能性が高いという。

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