カナダ鉄道輸送停止の可能性、米国向け原油輸出には影響乏しいか
ロイター / 2024年8月20日 13時59分
Arathy Somasekhar
[ヒューストン 19日 ロイター] - カナダで鉄道の労使交渉難航により貨物輸送が全面的に停止する恐れが出てきているが、米国向け原油輸出が大幅に減少する公算は乏しい。「トランス・マウンテン」など複数のパイプラインに輸送余力があるためだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。
カナダ鉄道大手2社は既に先週、化学製品などの危険物の新規輸送停止に動いている。労働組合との交渉が合意に達しなければ、22日にもロックアウトないしはストライキが始まる可能性がある。
しかしカナダから米国への原油輸出は大きな影響を受けないかもしれない。近年は米国に鉄道で輸入されるカナダ産原油は急減し、米エネルギー情報局のデータによると、今年5月の輸入規模は日量平均約5万5000バレルとコロナ禍の価格急落が起きた2020年以降で最低にとどまった。米国に輸入されるカナダ産原油の大半はパイプライン経由だ。
カナダ産原油の指標となるWCSの価格は輸出が滞る局面で下落する傾向があるが、業界専門家やアナリストの見立てでは、トランス・マウンテンが5月に拡張されたことなどから大幅な値下がりは避けられるはずだという。
エナジー・アスペクツのシニア石油市場アナリスト、ジェレミー・アーウィン氏は「トランス・マウンテン拡張前に比べると、カナダ市場にとって原油の鉄道輸送の重要度は下がっている」と指摘した。
トランス・マウンテンは拡張工事完了で原油輸送能力が3倍近くまで膨らんだ。
またアーウィン氏は、カナダ産原油の買い手である米中西部の精製施設が保守点検に入ることも、パイプラインに輸送余力をもたらすとみている。
16日のWCSは米国産原油の指標であるWTIを1バレル=12.25ドル下回る水準で取引を終えた。昨年のディスカウント幅は平均18.65ドルで、カナダ産原油の輸出について市場の懸念が乏しいことがうかがえる。
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