米イーライリリーの減量薬、3年間の試験で糖尿病リスクを94%低減
ロイター / 2024年8月21日 1時35分
米製薬大手イーライリリーは20日、過体重または肥満の糖尿病予備軍の成人1032人を対象に、減量薬の注射を週1回、3年間続けた結果、2型糖尿病の発症リスクをプラセボ(偽薬)と比較して94%低減したとの後期臨床試験結果を発表した。2020年9月撮影(2024年 ロイター/Mike Blake)
[20日 ロイター] - 米製薬大手イーライリリーは20日、過体重または肥満の糖尿病予備軍の成人1032人を対象に、減量薬の注射を週1回、3年間続けた結果、2型糖尿病の発症リスクをプラセボ(偽薬)と比較して94%低減したとの後期臨床試験結果を発表した。
今回のデータは最も長期にわたる臨床試験から得られたものであり、「チルゼパチド」(肥満症治療薬「ゼップバウンド」と糖尿病治療薬「マンジャロ」)の長期的な利点を裏付けるものだという。
最も高い用量のチルゼパチドの投与により、平均22.9%の体重減少が認められた。プラセボではわずか2.1%だった。
BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、エバン・セイガーマン氏は「メタボリックの領域でこうした数値は見かけない」とし、同業ノボノルディスクの治療薬は別の後期臨床試験で3年後に73%の発症リスク低減を示したと言及した。
イーライリリーとノボノルディスクはいずれも、肥満治療薬の関連疾患への使用拡大を進めている。使用患者群と保険適用の拡大につながる可能性がある。イーライリリーの今回の結果は、患者が時間の経過とともに減量薬の使用を減らすという懸念が出ている中で発表された。
後期臨床試験の初期結果は2022年に公表されており、その時点でのデータでは、肥満患者の体重を大幅に減らすのに役立つことを示し、米規制当局の承認取得につながった。
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