ファーウェイ、三つ折りスマホ販売開始 供給制約で当面入手困難か

　９月２０日、中国通信機器大手、華為技術（ファーウェイ）が、三つ折り式の最新スマートフォン「ＭａｔｅＸＴ」の販売を開始した。写真は「ＭａｔｅＸＴ」を見る人々。北京で１０日撮影（２０２４　ロイター／Florence Lo）

David Kirton

[深セン ２０日 ロイター] - 中国通信機器大手、華為技術（ファーウェイ）が２０日、三つ折り式の最新スマートフォン「ＭａｔｅＸＴ」の販売を開始した。価格は２８００ドルと、同じタイミングで発売されたアップルの「ｉＰｈｏｎｅ１６　ＰｒｏＭａｘ」の２倍超に設定されている。

ただ複数のアナリストは、供給制約の問題からＭａｔｅＸＴの入手は当面困難となる可能性があると警告している。

深センや北京にあるファーウェイの販売店では、新型スマホを買い求めに来た客が予約なしでは購入できないと言われ、失望感をあらわにしていた。

ファーウェイは今月鳴り物入りでＭａｔｅＸＴを公開し、幹部の１人はアコーディオン形式の扉のように三つに折りたためる同機を「科学フィクションを現実化」したとアピールした。

これまでの予約数は６５０万台を超え、調査会社ＩＤＣによると今年第２・四半期に世界全体で出荷された折りたたみ式スマホの合計約３９０万台を大きく上回っている。

深センの店舗前で前夜１０時から徹夜して待ったという大学生は、店頭で手に入らず「かなりがっかりだ。買えないなら先にそう言ってほしかった」と話した。

ファーウェイはＭａｔｅＸＴの現時点での生産台数や、販売初日に引き渡す台数を公表していない。

中国で同日発売されたアップルの「ｉＰｈｏｎｅ１６」については、生成人工知能（ＡＩ）機能「アップルインテリジェンス」の提供をうたっているにもかかわらず、アップルが中国国内のＡＩサービスについて提携先企業を発表していないことが先行きに影を落としている。ＡＩが中国語に対応するのも来年となる。

ｉＰｈｏｎｅを毎年買い替えるという購入客は「ｉＰｈｏｎｅにＡＩがないことは私にとって大きな問題ではない。単なる仕掛けという感じがしている」と話した。

イサイア・リサーチのシニアアナリスト、ロリ・チャン氏は、ＭａｔａＸＴのパネルやカバーガラス、蝶番などの重要部品が歩留まりの問題を抱えている可能性があるとした。

アナリストによると、同スマホには中国製の半導体が搭載されている。

前世代の二つ折り式スマホ「ＭａｔｅＸ５」は１６３０ドルでなお売られており、第２・四半期時点での総販売台数は２２０万台。調査会社カナリスのアナリスト、アンバー・リュー氏は「ＭａｔｅＸＴの販売台数がＭａｔｅＸ５の水準に届くのは難しい」との見方を示した。