G20首脳会議閉幕、気候変動目標の早期達成を議長国が提案
ロイター / 2024年11月20日 9時15分
Jake Spring Jarrett Renshaw
[リオデジャネイロ 19日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は19日、ブラジルのリオデジャネイロで閉幕した。同国のルラ大統領は各国首脳に気候変動目標の前倒しを求め、予定より5年から10年早く温暖化ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を達成するよう呼びかけた。
ルラ氏はサミット最後のセッションの冒頭、カーボンニュートラルの実現時期について、多くの国が表明している2050年までではなく、40年もしくは45年までを目指すよう前倒しを提案。
世界は今年、これまでで最も気温が高い年になる可能性が高いとし、洪水や干ばつなどの災害が頻度や激しさを増す中、「失う時間はない」と取り組み強化を訴えた。
気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を計画しているとされるトランプ次期米大統領の就任を前に、各国首脳は温暖化に対する世界的な対応強化を図っている。
トランプ氏と米国で会談したばかりのアルゼンチンのミレイ大統領はこうした風向きの変化を想起させた。G20サミット出席者によると、ミレイ氏はジェンダー平等や富裕層課税、持続可能な開発を推進する首脳宣言に異議を唱えたという。
ルラ氏は会議初日の18日に首脳宣言採択を急ぎ、気候変動について見解の一致を得たが、ウクライナとロシアの紛争激化を巡りより強い文言を求めた一部の欧州諸国からは不満の声も出た。
首脳宣言は気候変動対策資金の迅速かつ大幅な増加を求めたほか、アゼルバイジャンで開催中の第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)の交渉官に対し、先進国が途上国に拠出すべき資金について新たな目標で合意するよう促した。
2日目の討議でバイデン米大統領は、途上国が気候変動を遅らせ、その影響から自国を守るためには「十分な資金力と資本へのアクセス」が必要だと指摘。「歴史がわれわれを見ている」とし、「信念を貫き、前進し続けることを求める。これは人類にとって最大の存亡の危機だ」と訴えた。
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