ルノー、日産統治改革議案に賛成へ 譲歩の委員会人事「歓迎」

ロイター / 2019年6月21日 6時31分

6月20日、フランス自動車大手ルノーは、連合を組む日産自動車が25日の株主総会で提案するガバナンス(企業統治)改革に向けた特別決議案に賛成する方針を表明した。仏ボルドーで12日撮影(2019年 ロイター/REGIS DUVIGNAU)

[東京/パリ 21日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>が25日の株主総会に諮る統治(ガバナンス)改革に向けた議案について、筆頭株主の仏ルノー が20日、賛成する声明を発表した。両社は同改革に伴い新設する委員会の人事を巡り対立しており、ルノーは採決棄権の意向を示していたが、日産がルノーの要求に応えた人事案に修正し、ルノーの棄権を回避したかたちとなった。

日産株を約43%保有するルノーが棄権を撤回したことで、日産の統治改革に関する定款変更の議案は可決される見通しとなり、日産は予定通り統治改革への一歩を踏み出すことになりそうだ。

ルノーが棄権する姿勢を示していたのは、現在の「監査役会設置会社」から、社外取締役による権限や経営監視を強める「指名委員会等設置会社」への移行に必要な定款変更の議案。日産は指名委員会等設置会社への移行後、指名・監査・報酬の3つの委員会を新たに設置する。

日産は、ルノーからジャンドミニク・スナール会長だけを委員会の委員にする計画だった。だが、ルノー側がティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)も起用するよう要求。応じなければ棄権も辞さない意向を示し、日産は議案成立に向け、ボロレ氏も起用した譲歩案を提示。ルノー側もこれを承諾した。

ルノーは声明で、日産の委員会にルノーのトップを受け入れる決定を「歓迎する」とし、「日産の新たなガバナンスにおけるルノーのプレゼンスに関して合意できたことで、連合内に息づく対話と相互信頼の精神が確認された」と述べた。

日産の西川広人社長は20日夜、東京都内で記者団に対し、ルノーの「理解は十分に得られた」と語り、ルノーが議案に賛成する見通しを明らかにした。

日産は21日未明、移行後の新たな取締役会の体制を発表。指名委員会の委員の1人にスナール氏、監査委員会の委員の1人にボロレ氏、取締役会議長にはJXTGホールディングス<5020.T>の木村康相談役、副議長にはスナール氏を充てる人事を正式に示した。

複数の関係筋は前週末、日産が3つの委員会のうち、複数の委員会でルノーの要求を受け入れる方向で調整に入ったと明らかにしていた。

日産はカルロス・ゴーン前会長の不正事件を受け、前会長に権限が集中していた統治体制を改める必要があると判断。外部有識者による「ガバナンス改善特別委員会(以下、特別委)」の提言を受けて、指名委員会等設置会社への移行を決めた。西川社長も20日夜、特別委の提言を「生かす形で(委員会の)メンバーを構成したい」と述べていた。

ただ、特別委の提言では、日産の主要株主で取締役などの役職経験者が「監査委員会の委員に就任することは望ましくない」としている。

今回決まったボロレ氏の起用は、この提言に抵触する。日産幹部の間では、統治改革に賛成しながら、影響力維持のために改革趣旨に反する要求を押し通すルノーへの不信感が高まっており、両社の関係は今後さらに悪化する可能性がある。

*内容を追加しました。

(白木真紀 in Tokyo、Gilles Guillaume and Sudip Kar-Gupta in Paris 編集:田巻一彦)

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