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香港、「特殊性」損なわれゼロ成長の可能性も=S&Pグローバル

ロイター / 2020年7月20日 23時12分

[ロンドン 20日 ロイター] - S&Pグローバルは20日、香港に関するリポートで、「特殊性」の喪失と急速な高齢化で今後10年の成長率が半分以下となる可能性を指摘した。ゼロ成長もあり得るとみている。

香港の長期的な経済見通しは、米中関係の急速な悪化によるリスクに直面していると分析した。

また第2のリスクとして、中国本土の金融開放の加速化で、世界的な金融センターとしての香港の役割が低下するとの見方を示した。

「香港の特殊性は損なわれつつある。下押しシナリオでは、今後10年で成長トレンドがゼロとなる可能性もある」と指摘した。ただ、「ベースライン」の見通しはより穏やかで、2030年までに成長率は1.1%に減速するとしている。18年の成長率は2.7%だった。

下押しシナリオでは、マクロ経済の安定性や見通しが急性的、または慢性的に悪化することを想定。「これらのシナリオのカタリストとして最も可能性が高いのは、米国との金融面でのデカプッリングと国内政策の段階的かつ持続的な不確実性の高まり」とした。

トランプ米大統領が14日、中国が香港への統制を強める「国家安全維持法(国安法)」を巡り、香港に認めてきた優遇措置を廃止する大統領令に署名したことなどについては、「このような取り組みによる経済的影響は非常に大きなものになり得るが、現時点では香港経済の下振れ要因というよりは極端なテールリスクと見ている」とした。

*内容を追加しました。

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