インドネシア中銀、予想通り金利据え置き 「下期に利下げ余地」
ロイター / 2024年3月20日 18時50分
インドネシア中央銀行は20日、主要政策金利の7日物リバースレポ金利を予想通り6.00%に据え置くことを決定した。ルピアへの圧力がここ数日強まる中、通貨の安定維持を重視した。2022年11月撮影(2024年 ロイター/Willy Kurniawan)
[ジャカルタ 20日 ロイター] - インドネシア中央銀行は20日、主要政策金利の7日物リバースレポ金利を予想通り6.00%に据え置くことを決定した。ルピアへの圧力がここ数日強まる中、通貨の安定維持を重視した。
ロイター調査でも31人のエコノミスト全員が政策金利の据え置きを予想していた。翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)と貸出ファシリティー金利もそれぞれ5.25%、6.75%で据え置いた。
ペリー・ワルジヨ総裁は、この決定はルピアの安定を維持し、インフレを抑制するための努力に沿ったものだと述べた。
ルピアはこの1週間におよそ1%下落。日銀の金融政策決定会合を控えた18日には1月末以来の大幅なマイナスとなった。
総裁は、米連邦準備理事会(FRB)が今年下半期に利下げするとの見方を維持。日銀が18―19日の金融政策決定会合で、大規模金融緩和策の修正を決めたことについては、影響は大きくはないと述べた。
「日銀の政策が資本フローや為替相場に大きな影響を及ぼすとは考えていない。多くの通貨の動きは依然として、なお非常に強い米ドルによって決定されるからだ」とした。
インドネシア中銀の先行きの金利決定については、インフレ率が2025年まで目標圏内に維持されるとみられる中、下半期に利下げ余地があるとの見方を改めて示した。
一部のエコノミストは、ルピア建て資産と米国債の利回り差を一定水準に維持するため、インドネシア中銀は金融緩和の時期と幅を決定する際にFRBを参考にするとみている。
DBSのエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「世界の今後の金利動向にはかなりの不確実性がある。中でもFRBを巡っては、市場は利下げ開始時期の予想を後ろ倒しし続けており、特に不透明だ」と述べた。
中銀は24年のインドネシアの経済成長率見通しを4.7─5.5%とし、これまでの予想を維持した。
バークレイズのエコノミスト、ブライアン・タン氏は、今年75ベーシスポイント(bp)の利下げを予想するが、利下げの時期や規模はルピアの動きが鍵になると指摘。「安定性が増せばさらなる利下げを後押しし、不安定な動きが再燃すれば予想される利下げサイクルが短くなる可能性がある」と述べた。
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