米、新型コロナ死者4.2万人突破 経済再開求めるデモ続く

ロイターの集計によると、米国内の新型コロナウイルス感染症による死者数は２０日、累計で４万１０００人を突破した。写真はワシントン州オリンピアで規制に反対するデモ隊。１９日撮影（２０２０年　ロイター/LINDSEY WASSON）

［ハリスバーグ（米ペンシルベニア州）　２０日　ロイター］ - ロイターの集計によると、米国内の新型コロナウイルス感染症による死者数は２０日、累計で４万２０００人を突破した。各地でロックダウン（都市封鎖）の早期解除を求めるデモが発生する一方、医療関係者や当局者は、解除を急げば一段と深刻な事態に陥ると警告している。

米国は、新型コロナの感染者数が世界最多。ロイターの集計によると、感染者数は累計で７７万８０００人を超え、死者は４万２３００人超となった。

シカゴ、ボストン、フィラデルフィアでは、感染者が集中する「ホットスポット」も出ている。

保健当局者や多くの州知事が、安全に経済活動を再開するためには検査の拡充が必要だと訴える中、ニューヨーク州は大規模な抗体検査に乗り出した。

カリフォルニア州では、郊外の町で全ての住民を対象にウイルス検査と抗体検査を実施する取り組みが始まった。また、ロサンゼルス郡で行われた抗体検査では、確認されている感染者の４０倍に上る人が実際には感染している可能性があることが示された。

こうした中、少なくとも３州が新たに経済活動の制限を緩和した。

サウスカロライナ州のマクマスター知事（共和党）は、入店者数を制限することを条件に、２１日から小売店や百貨店の営業再開を認める行政命令を出した。

コロラド州のポリス知事（民主党）は、対人距離を確保するソーシャル・ディスタンスのルールを維持した上で、理髪店や保育所、不動産業者の営業再開を来週から認めると発表した。

ジョージア州のケンプ知事（共和党）は、ジムや理髪店、マッサージ店などが２４日から、映画館やレストランは週明け２７日から、それぞれ営業を再開できるとした。同州では２０日、新規感染者が１２００人を超え、死者も急増した。

一方、各地ではロックダウン解除を求めるデモが発生している。ミシガン州では先週、州都ランシングの議事堂前に数千人が集まったほか、メリーランド州の州都アナポリスでも週末に数百人規模のデモが発生。民主党の州知事が共和党の営業再開案を拒否すると表明したペンシルバニア州では２０日、州都ハリスバーグで大規模デモが行われた。

デモ参加者は、公衆衛生専門家に対する不信感や、実際の流行の規模を巡る懐疑的な見方を口にし、ウイルスそのものより有害な行き過ぎた措置を講じているとして当局者を非難した。

このほか２０日にはペンシルバニア州ピッツバーグや、コネチカット州の州都ハートフォードなどでも抗議活動が発生し、ここ数日のデモと同様に、トランプ大統領の支持者が多数参加した。

トランプ大統領は前週、ツイッターへの投稿で、デモ参加者に共感する姿勢を示し、大統領選で鍵を握る３州の民主党知事を批判した。

批判の矛先となった１人であるミシガン州のウィットマー知事は、２０日に開かれた州知事の電話会議でペンス副大統領に対し、州が実施している外出制限に連邦政府として支持を表明するよう求めたことを明らかにした。ペンス副大統領はウィットマー知事の要請を受け入れたという。

＊内容を追加しました。