3月の英就業者数、伸びが鈍化 新型コロナの影響出始める
ロイター / 2020年4月21日 18時57分
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)によると、3月の英就業者数は0.8%増加し、増加率は2月の1.1%から減速した。通常より早く発表された暫定的な納税データに基づいた統計で、新型コロナウイルス感染に対する封鎖措置の影響を受け、労働市場が今後、大幅に悪化する見通しを示唆している。
ONSの統計学者、デービッド・フリーマン氏は「これらの実験的な統計は3月における(労働市場の)軟化を反映している。しかし、その1カ月間には、新型コロナ関連の制限措置が導入される前の期間も含まれている」と述べた。
英予算責任局(OBR)は先週、新型コロナの封鎖措置が向こう3カ月にわたって徐々に解除されるとすると、失業率は10%まで上昇し、失業者は200万人増加する可能性があるとの見方を示した。
コンサルタント会社キャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「労働市場に関する一連の最新データが示す小さなひび割れは、すぐに大きな亀裂になってしまうかもしれない」と述べた。
失業保険申請件数は3月に1万2100件増えた。ロイターのエコノミスト調査の予想中央値(17万2500件)を大きく下回った。ただ、この数字は英国で封鎖措置が導入された3月23日より前の、3月12日時点の状況に基づいている。
12月─2月の失業率は4.0%で、11月─1月の3.9%から予想に反してわずかに上昇した。同期間の賃金の伸びは前年比2.8%で、11月―1月の前年比3.1%から低下。新型コロナ危機の深刻な影響が出る前から予想外のペースで減速した。
一方、12━2月の就業者数は17万2000人増え、就業率は76.6%と過去最高を記録した。
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