アストラゼネカのコロナワクチン治験、米で週内再開も=関係筋
ロイター / 2020年10月21日 9時28分
[シカゴ/ワシントン 20日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカ
アストラゼネカは9月6日、英国で行われていたコロナワクチン治験で被験者に疾患が生じたことを受け、米国での大規模な後期臨床試験を含む治験を世界的に中断。被験者が発症した疾患は、横断性脊髄炎とみられている。
米食品医薬品局(FDA)による同疾患を巡る審査完了に伴い、治験は再開される。FDAは治験再開に際し、同疾患が発症した情報を被験者が署名する同意書に追加することを義務付けるという。FDAからコメントは得られていない。
英規制当局はこれまで同疾患について調査し、ワクチン投与と関係があるかないかを結論付ける「十分な確証がない」と判断。同意書の改訂版の原案によると、英国内での治験再開を許可した。ロイターが原案を確認した。
同意書は「今回の場合は、独立系調査官と英医薬品医療製品規制庁(MHRA)が情報を精査した上で、ワクチン投与を継続すべきだと提言した」としている。「当該の被験者と他の参加者の注意深い観察を継続する」とした。
ブラジル、インド、南アフリカの規制当局もアストラゼネカのコロナワクチンの現地での治験再開を許可している。
米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
同社の広報担当者は20日、調査を継続しているため、治験はまだ再開していないと述べた。アストラゼネカのワクチンの治験が当局によって中断されたのとは異なり、自主的な「治験停止」だと説明した。
英規制当局はアストラゼネカのコロナワクチンの治験に関するロイターの問い合わせに対し、国内の被験者に一斉送付する今月14日付のレターの原案を提示。同社と共同開発を行っている英オックスフォード大学のコロナワクチン研究チームの署名もある。これによると、FDAは「分析を完了」しており、米国でのワクチン投与は近く再開する見通し。
FDAは「MHRAを含む他の医薬品当局と同じ結論に達した」としている。
アストラゼネカの広報担当は、被験者へのレターは同社が発信元ではないため、内容が事実かを確認できないと述べ、FDAの今後の決定についてもコメントできないとした。
*内容を追加しました。
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