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台湾鴻海、米ウィスコンシン工場の投資・雇用計画を大幅削減

ロイター / 2021年4月21日 14時12分

[ワシントン 20日 ロイター] - 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が、米ウィスコンシン州の工場への投資を大幅に削減することが20日に発表された同州政府との合意で明らかになった。州側は同工場への税優遇措置を縮小する。

エバーズ・ウィスコンシン州知事によると、鴻海は予定していた100億ドルの投資を6億7200万ドルに縮小し、雇用計画を1万3000人から1454人に減らす。州政府は同工場への税優遇措置を28億5000万ドルから8000万ドルに縮小するという。

鴻海はトランプ前政権時代の2017年7月に投資計画を発表。当時は、外資系企業による新工場への投資としては米史上最大とされていた。

鴻海は、州政府との合意について「世界市場の変化する状況に対応して事業機会を追求する柔軟性」が得られたとし、17年当時の予測は「想定外の市場の変動によって変化した」と説明した。

鴻海は当初、同工場で最先端のテレビ用大型パネルやその他の消費者及び企業向け製品を生産する計画だった。

ただ、鴻海の一部幹部を含む業界関係者は、ウィスコンシン近隣にフラットパネルディスプレー生産に欠かせないサプライヤーは存在しないとし、当初から実現に懐疑的だった。

鴻海の計画は地元の反対にも直面した。外国企業への税優遇措置や、同社に大幅な水利権や土地収用権を与えた条項などに批判が上がっていた。

最先端ディスプレーの生産を断念した後、鴻海はより小型の第6世代液晶パネルを生産する方針を示したが、この計画も実現しなかった。

この日の発表より先に、鴻海の劉揚偉董事長(会長)は台北で記者団に対し、現在ウィスコンシンではサーバーや通信関連製品、医療機器を生産していると説明。電気自動車(EV)の生産も「有望だ」と述べた。詳細には踏み込まなかった。

同氏は過去に、ウィスコンシンは伝統的な米自動車産業の中心地に近いことから、EV生産のためのインフラがあるとする一方、メキシコを選ぶ可能性もあると述べている。

<税優遇措置>

エバーズ知事は、今回の合意は、従来契約に比べて納税者の負担が27億7000万ドル減り、雇用創出を税優遇策の条件とする措置が維持され、同工場の支援に州・地方政府が投じた数億ドルの資金が保護されると強調した。

鴻海が雇用と設備投資の目標を達成できれば、実績連動型の税優遇措置として6年間で最大8000万ドルを受けられるとした。

当初契約では税優遇措置や州・地方政府による道路関連の投資を含め、補助金が40億ドルを超えていた。

鴻海は、2017年以降のウィスコンシン州への投資は、複数の異なる施設を対象に9億ドルに上ったと明らかにした。

*内容を追加しました。

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