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焦点:投資家の中国悲観ムードに変化の兆し、強気心理定着は見通せず

ロイター / 2023年9月21日 12時45分

 中国に対する投資家の悲観ムードに変化の兆しが見える。資産運用会社の間で、中国向け投資の圧縮ペースを緩めるか、圧縮を止める動きが出てきたからだ。写真は2022年2月、上海で撮影(2023年 ロイター/Aly Song)

Summer Zhen Rae Wee

[香港/シンガポール 19日 ロイター] - 中国に対する投資家の悲観ムードに変化の兆しが見える。資産運用会社の間で、中国向け投資の圧縮ペースを緩めるか、圧縮を止める動きが出てきたからだ。もちろん持続的な強気心理が台頭するにはまだほど遠い状況だ。

8月に過去最大の900億元(123億4000万ドル)に膨らんだ外国人の中国株売り越しは、今月これまでは200億元にとどまっている。

また中国の経済データも、鉱工業生産や小売売上高などがここ数カ月で初めて予想よりも良い内容に転じた。

ピクテ・ウエルス・マネジメント、BNPパリバ・アセット・マネジメント、ジャナス・ヘンダーソン、JPモルガン・アセット・マネジメント、インベスコ、RBCインベストメント・サービシズの資産運用大手6社の担当者にロイターが取材したところ、彼らはいずれも、最近打ち出された景気支援策を踏まえても、ポートフォリオにおける中国のウエートを上下どちらにも修正していない。

「全体的な構図は暗いが、中国株を巡る弱気観は底を打ったかもしれず、だからわれわれはエクスポージャーを削減するのを控えつつある」とピクテのアジア・マクロ経済調査責任者のドン・チェン氏は語った。

主要な中国株で構成するCSI300指数は年初来で4.5%下落しており、今週には10カ月ぶりの安値に沈んだ。ただ3700付近の下値支持線は割り込まずに推移している。

8月に5.2%下落した上海総合指数は今月横ばいを維持。香港ハンセン指数も、年初来安値は更新せず踏みとどまっている。

BNPパリバ・アセットのアジア太平洋シニア市場ストラテジスト、チー・ロー氏は「中国株に対する市場心理は、7月の中国共産党中央政治局会議の後にやや持ち直した」と指摘し、当局が消費と不動産を支えると約束した点を挙げた。

ロー氏は「当局は経済に諸問題が存在すると認識し、さらなる支援に乗り出す態勢にある。ただし中国の構造的な不均衡を悪化させるという代償は払おうとしていない」と述べた。

<消えない暗雲>

CLSAのチーフ株式ストラテジスト、アレックス・レドマン氏は、現段階での問題はポートフォリオマネジャーらが中国株の回復途上であまりにも多くの波乱に見舞われ、最終的に失望を味わっていることだと分析した。

確かに、例えば不動産セクターは依然として経済全体に重くのしかかる要素になっている。大手不動産会社の碧桂園や遠洋集団などはデフォルト(債務不履行)の瀬戸際を歩き続けているからだ。

また先月にデフレ圧力こそ和らいだとはいえ、若者の記録的な高失業率や、家計所得の先行き不透明感、米中間の緊張激化などは中国経済の成長見通しに影を落としている。

RBCの投資ストラテジスト、ジャスミン・デュアン氏は「経済が安定化し、企業利益が回復して、外国人投資家の中国資産に対する心理が相当改善して初めて、市場は長期的な上向きの勢いを得られる公算が大きくなる」と話した。

<代替投資先>

これまでは中国以外の有望な投資先も模索されてきた。ジャナス・ヘンダーソンのポートフォリオマネジャー、サット・デュフラ氏は、マクロ経済と政治環境が相対的に安定していることを踏まえ、同氏のファンドはインドネシアとインドの投資ポジションが「過去最高」に達したと明かした。

そのインドへの資金流入は8月になって減速している。

一方、インベスコのアジア・新興国株プロダクトディレクター、パトリック・ガービン氏は、現時点では別の投資機会がある以上、中国のエクスポージャーを増やす必要は見当たらないとしつつも「中国に対する投資家の見方が非常に低調なので、企業のファンダメンタルズ改善が始まる兆しに株式のバリュエーションがかなり敏感に反応してもおかしくない」とくぎを刺した。

*写真を差し替えて再送します。

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