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汚染大国の「強欲」で世界の温暖化対策に遅れ=国連事務総長

ロイター / 2023年9月21日 13時15分

国連総会に合わせて20日に1日限り開かれた「気候野心サミット」でグテレス国連事務総長は、化石燃料利権への「むき出しの強欲」が原因となって温暖化に対処する時間が足りなくなっていると批判した。写真は米ニューヨークの国連総会で演説するグテレス氏で19日撮影(2023年 ロイター/Mike Segar)

Valerie Volcovici

[国連 20日 ロイター] - 国連総会に合わせて20日に1日限り開かれた「気候野心サミット」でグテレス国連事務総長は、化石燃料利権への「むき出しの強欲」が原因となって温暖化に対処する時間が足りなくなっていると批判した。国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が11月下旬から約2週間、アラブ首長国連邦(UAE)で開かれるのを控え、強い危機感を表明した。

グテレス氏は、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行が数十年遅れていると指摘。「化石燃料の既得権益者が強欲をむき出しにし、われわれの足を引っ張り、腕をねじ伏せてきた。こうして失った時間を取り戻さなければならない」と言明した。

グテレス氏は同サミットに、力強い気候変動対策を打ち出したと評価した34カ国の代表を発言者として招待した。

海面上昇で国土消失に直面するマーシャル諸島のカブア大統領は「主要な(温室効果ガス)排出国が決断を怠ってきたため、われわれは容赦ない大災害に備えなければならなくなった」と訴えた。

この日の会議には、世界の二大排出国である米国と中国が発言者として招かれなかった。気候問題の活動家からはCOP28を前にした進展の遅れを懸念する声が上がった。世界自然保護基金(WWF)で気候とエネルギーに関する世界規模の運動を率いるマヌエル・プルガー・ビダル氏は「COP28までの約2カ月間で政治的な大きな意志変化が必要だ」と述べた。

ケニアのルト大統領は「アフリカも発展途上国も(先進国から)施しを求めているのではない」と述べ、化石燃料取引に加え、航空機や船舶の排出ガス、金融取引に対する世界共通の課税制度を創設し、何兆ドルもの資金を調達するよう各国に求めた。

ブラジルのシルバ環境相は同国の排出ガス削減目標の引き上げを発表した。2030年までに05年比で50─53%未満に抑える。

タイのセター首相は30年までの排出削減目標を従来の20%から40%に引き上げたと述べた。ネパールのダハル首相は、後発開発途上国を代表し、気候変動に適応するための資金が現状の2倍必要との見方を示した。

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は、気候変動対応の資金として年間1000億ドルを調達するという目標を各国で達成する必要性を挙げた。EUは昨年と同様に270億ドルを拠出すると付け加えた。

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は各国に化石燃料関連の補助金廃止を呼びかけた。こうした補助金を巡っては21年に段階的廃止が国際公約となったものの22年に過去最高の7兆ドルにまで増加していたという。

今回の会議では、途上国に気候変動対応の資金を提供する国連の「緑の気候基金(GCF)」が30年までに少なくとも500億ドルを拠出する目標も明らかにされた。

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