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情報BOX:米議会、政府機関閉鎖の回避なるか 道筋は限定的

ロイター / 2023年9月21日 14時26分

 米国は9月30日真夜中までに米議会がつなぎ予算案を可決できず、新会計年度が始まる10月1日から政府機関が一部閉鎖に陥るリスクが高まっている。写真はワシントンの米議会。8月撮影(2023年 ロイター/Kevin Wurm)

Richard Cowan

[ワシントン 20日 ロイター] - 米国は9月30日真夜中までに米議会がつなぎ予算案を可決できず、新会計年度が始まる10月1日から政府機関が一部閉鎖に陥るリスクが高まっている。

今後想定されるケースをまとめた。

<従来通りの展開>

下院で共和党を率いるマッカーシー議長は期間1カ月のつなぎ予算について、共和党が受け入れ可能な均衡点を見つけるかもしれない。

つなぎ予算法案は、共和党が過半数を握る下院で可決されれば、民主党が多数派を占める上院に送られる。上院に送られる際には、民主党が反対する厳しい国境管理措置が付帯される公算が大きい。

バイデン大統領は厳格な国境管理措置ではなく、自身の臨時的な国境警備計画の策定を望んでいる。そのためつなぎ予算法案が上院に提出されれば、民主党の上院トップであるシューマー院内総務が、下院から送付された国境管理措置をバイデン氏の提案に置き換えることになりそうだ。

上院がつなぎ予算法案を可決すれば、下院は上院による変更の受け入れの是非について投票を行うかもしれない。あるいは下院が上院案を否決し、政府機関の閉鎖を引き起こす可能性もある。

<上院が下院を妨害>

下院が9月30日までに何らかの予算案を提出できなければ、上院が自ら問題解決に動く可能性がある。

上院のシューマー院内総務が下院で可決済みの法案の骨格を変えて今の文言を削除し、新たな臨時予算法案に置き換える、というシナリオだ。こうした手段を使えば、上院は歳入関連法案を発議できないという米憲法の規定を回避できる。

このシナリオにおいて上院は、9月30日午前零時という期限に近いものの、近すぎないタイミングで動くことになるだろう。他の議院を妨害する「ジャミング」として知られる手法だ。

<マッカーシー議長が賭けに出る>

下院・共和党のマッカーシー議長は、極右保守の同党議員を十分に取り込むことができない場合、政治的に大きな賭けに出て、法案を採決にかけるかもしれない。下院での可決には民主党議員の賛成が必要。

こうした展開になれば、一部の下院共和党議員が反発してマッカーシー氏を議長から罷免しようと動き出し、議会の危機が深刻化する可能性がある。

<中道派連合が動く>

穏健・中道派のさまざまな議員が、下院の行き詰まりを打開するための策を打ち出すべく密かに集まっている。

例えば「課題解決議連」は現在の政府予算を2024年まで延長するとともに、災害援助、ウクライナ支援、さらに一定の国境安全保障措置を盛り込む枠組みを検討していると、同議連の活動に詳しい下院議員が明らかにした。

<特別規則を提出>

下院議員は、議会における通常手続きの回避に向けた特別規則(discharge petition)を提出し、委員会の関与を退け、速やかな採決に向けて法案を本会議に送ることができる。

この場合、困難で時間のかかる手続き上のハードルをクリアする必要があり、下院で過半数を占める政党(現在は共和党)は、造反者が出て指導力が傷つくのを嫌うことが多い。

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