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英中銀が利上げ見送り、5対4の僅差 総裁は利上げ終了まだと強調

ロイター / 2023年9月22日 0時49分

イングランド銀行(英中央銀行)は21日、政策金利を5.25%に据え置いた。ロンドンの本部で2022年撮影。(2023年 ロイター/Maja Smiejkowska/File Photo)

William Schomberg Andy Bruce Suban Abdulla

[ロンドン 21日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は21日、政策金利を5.25%に据え置いた。据え置きは2021年12月以来。英経済の減速とインフレ鈍化を受けた。ただ、ベイリー総裁は利上げがまだ終了していないと強調した。

利上げ見送りを受けポンドは対ドルで0.5セント超下落し3月末以来の安値を付けたほか、対ユーロでも下落。市場では追加利上げ見通しが後退した。

金融政策委員会(MPC)は声明で「金融引き締めがより広く労働市場や実体経済の勢いに一定の影響を与える兆候が強まっている」と指摘した。

ベイリー総裁は記者団に対し、英中銀の次の行動は予測できないと指摘。「利下げについてはMPCでいかなる議論も行っていない。それは非常に時期尚早だからだ」とした。

金利据え置きは5対4の僅差で決定。カンリフ副総裁、グリーン委員、ハスケル委員、マン委員が5.5%への引き上げを主張した。

7-9月期の経済成長見通しを、8月時点の0.4%から0.1%に下方修正し、住宅市場低迷の明確な兆候を挙げた。その上で、年内の経済成長率は以前の予想よりも弱くなる可能性が高いとした。

中銀が大きな懸念としている労働者の給与の記録的な伸びは、労働市場の他の指標では裏付けられていないとし、伸びが近く鈍化すると予想していることを示唆した。

「石油価格の上昇圧力が再び強まっているがエネルギー価格の上昇率が前年比で低下していることから、消費者物価指数(CPI)のインフレ率は、当面は一段と大幅に低下すると予想される」と指摘した。しかし、サービスインフレは引き続き上昇すると予想している。

サンタンデールUKのチーフエコノミスト、フランシス・ハク氏は、今回の利上げ見送りが今後も続くのか、それとも11月に追加利上げが必要なのかという点が注目されていると述べた。

<必要なら利上げの用意>

MPCは、必要であれば再度利上げする用意があるとのメッセージを繰り返した。「インフレ圧力がさらに持続するの証拠があれば一段の金融引き締めが必要になる」とし、8月は6.7%だったインフレ率が目標の2%とするため、金融政策は「十分な期間、十分に制約的」にするとのガイダンスを改めて示した。

KPMG・UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は、最初の利下げは2024年11月以降になる可能性があると述べた。

ベイリー総裁は別の声明で、最近のインフレ率の低下と低下が続くとの中銀見通しを歓迎。「しかし油断してはならない。インフレが正常に戻ることを確認する必要があり、そのために必要な決定を下していく」と述べた。

一方、市場では利上げ終了との見方が優勢。JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、ヒュー・ギンバー氏は「声明で追加利上げへの扉を開いたままにする取り組みが示されたにもかかわらず、多くの投資家は英中銀の利上げサイクルは終了したと考えるだろう」と述べた。

またJPモルガンは英中銀は今年11月から2024年を通じて金利を据え置くと予想。HSBCは英中銀の金融引き締め政策は「もう終わった」とし、年内および来年の金利据え置きを想定。ただしインフレ鈍化が数回続けば「24年の利下げ見通しが浮上する可能性は十分にある」とした。

さらにウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)は英中銀による利下げは24年5月以降と予想しており、来年末の政策金利を3.25%と予想。「今回の利上げ停止は金利のピークを意味する可能性もある」とした。

MPCは世界金融危機とコロナ禍のなかで積みあがった大量の買い入れ国債の縮小についてペースを速めることで合意。今後12カ月間で売却と満期償還により保有残高を1000億ポンド減らし、合計6580億ポンドにするとした。過去1年の80億ポンドから加速させる。

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