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NY市場サマリー(21日)ドル軟調、10年債利回り16年ぶり高水準 株大幅続落

ロイター / 2023年9月22日 7時36分

[21日 ロイター] -

<為替> ドル指数が軟調となった。ただ、前日に米連邦準備理事会(FRB)が長期にわたり金融政策を制約的に維持する姿勢を示したことで、6カ月ぶりの高値近辺にとどまっている。

日本円は翌日に日銀の金融政策決定会合を控え上昇した。一方、イングランド銀行(英中央銀行)とスイス国立銀行(中央銀行)の金利据え置きを受け、英ポンドとスイスフランは下落した。

円は対ドルで0.58%高の147.46円。この日は上昇したものの、対ドルで10カ月ぶりの安値近辺で推移する中、政府・日銀が円相場を下支えに為替市場に介入するか注目が集まっている。

岸田文雄首相はこの日、国連総会出席のため訪れているニューヨークのエコノミック・クラブで行った講演後の質疑応答で、為替相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映して安定的に動くことが重要との認識を示し、過度な変動に対処するために政府はいかなる選択肢も排除しないと述べた。

マネックスUSAの外為トレーダー、ヘレン・ギブン氏は、日銀の決定会合前にポジションを調整する動きが出ていると指摘。ロイターが実施したエコノミスト調査では、日銀のマイナス金利解除は来年になるとの予想が過半数を占めた。

ジェフリーズのグローバル外為部門責任者、ブラッド・ベクテル氏は「今回の決定会合で利上げが実施される可能性は低いが、利上げを示唆する発言が出る可能性はある」としている。

FRBは前日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。ただタカ派的なスタンスを強め、年内の追加利上げを想定。金融政策は2024年を通して従来の予想より大幅に引き締まった水準にとどまるとの見方を示した。

マネックスUSAのギブン氏は「今回のFOMCでドル強気派は望んでいたものを手に入れた」とし、FRBのスタンスは、より厳しい状況に直面している欧州中央銀行(ECB)や英中銀のガイダンスとはかなり対照的だったと述べた。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.10%安の105.33。ただ、一時は105.74と、3月以来の高水準を付けていた。

英ポンドは0.41%安の1.22935ドル。英中銀はこの日、政策金利を5.25%に据え置いた。据え置きは2021年12月以来初めて。ただ、ベイリー総裁は利上げがまだ終了していないと強調した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約2.0%安の2万6593ドル。

<債券> FRBが前日に追加利上げの可能性と来年の利下げ幅縮小を示唆したことを受け、10年債利回りが16年ぶり高水準を付けた。

FRBは前日まで開いたFOMCで金利据え置きを決定。ただタカ派的なスタンスを強め、年内の追加利上げを想定したほか、金融政策は2024年を通して従来の予想より大幅に引き締まった水準にとどまるとの見方を示した。

この日発表の経済指標では、9月16日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は20万1000件に予想外に減少し、1月以来の低水準となった。

全米リアルター協会(NAR)発表の8月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.7%減の404万戸と、予想外に減少した。

FRBがタカ派的な姿勢を維持するかは、今後発表される経済指標次第になるとみられている。

CMEグループのフェドウオッチによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、11月の利上げの確率は26%、12月までの利上げの確率は45%であることが織りこまれている。

10年債利回りは4.492%と2007年11月以来、2年債利回りは5.202%と06年7月以来の高水準を付けた。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス69bpに縮小した。

<株式> 大幅続落して取引を終えた。FRBの金利引き締めが予想以上に長期化するとの懸念から、投資家のリスク選好意欲が減退した。

FRBは9月19─20日に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。ただタカ派的なスタンスを強め、年内の追加利上げを想定した。 これを受けて米10年債利回りが16年ぶり高水準を記録。金利に敏感な大型株が下落した。

金利動向に敏感な大型株が売られ、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、アップル、アルファベットが売られ、S&P総合500種とナスダックを圧迫、両指数は6月以来の安値で引けた。

グロバルトのシニアポートフォリオマネージャー、トーマス・マーティン氏は、高金利が長期化すれば経済への圧力が強まると指摘、金利上昇の影響が時間差で出てくるとの見方を示した。

半導体大手ブロードコムは2.7%安。アルファベット傘下のグーグル幹部が人工知能(AI)用半導体のサプライヤーから同社を2027年にも外すことを議論したと伝わったことが背景。

フィラデルフィア半導体指数は1.8%安。

前日上場したマーケティング自動化会社クラビヨは2.9%高。同じく最近上場した英半導体設計のアーム・ホールディングスは1.4%安となった。

物流大手フェデックスは4.5%高。前日発表した6─8月決算で利益が市場予想を上回ったことに支援された。

フォックス・コーポレーションとニューズ・コーポレーションは3.2%、1.3%、それぞれ上昇。ルパート・マードック氏の両社会長職からの辞任が伝わった。

<金先物> FRBによる追加利上げへの警戒感や高金利の長期化観測が重しとなり、6営業日ぶりに反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比27.50ドル(1.40%)安の1オンス=1939.60ドル。

<米原油先物> 強弱まちまちの材料を眺めて売り買いが交錯し、ほぼ横ばいとなった。この日から中心限月となった米国産標準油種WTI11月物の清算値(終値に相当)は前日比0.03ドル(0.03%)安の1バレル=89.63ドル。12月物は0.02ドル安の88.32ドル。

ロシアは21日、旧ソ連構成国4カ国(ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスタン)以外へのガソリンとディーゼルの輸出を一時的に禁止すると発表した。狙いは国内の燃料市場の安定化で、即日発効した。これを受け、需給引き締まり観測が拡大し、午前にかけて原油は買いが優勢だった。ただ買いが一巡したあとは、米欧の中央銀行による金融引き締め長期化への警戒感から、取引終盤に売りが優勢となる展開となった。

ドル/円 NY終値 147.58/147.61

始値 147.73

高値 148.07

安値 147.33

ユーロ/ドル NY終値 1.0658/1.0662

始値 1.0648

高値 1.0673

安値 1.0626

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 92*21.00 4.5781%

前営業日終値 95*14.50 4.4000%

10年債(指標銘柄) 17時05分 95*03.00 4.4941%

前営業日終値 96*07.50 4.3470%

5年債(指標銘柄) 17時05分 98*29.75 4.6192%

前営業日終値 99*12.50 4.5130%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.50 5.1438%

前営業日終値 99*24.88 5.1200%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 34070.42 -370.46 -1.08

前営業日終値 34440.88

ナスダック総合 13223.99 -245.14 -1.82

前営業日終値 13469.13

S&P総合500種 4330.00 -72.20 -1.64

前営業日終値 4402.20

COMEX金 12月限 1939.6 ‐27.5

前営業日終値 1967.1

COMEX銀 12月限 2368.7 ‐14.9

前営業日終値 2383.6

北海ブレント 11月限 93.30 ‐0.23

前営業日終値 93.53

米WTI先物 11月限 89.63 ‐0.03

前営業日終値 89.66

CRB商品指数 285.9301 ‐2.5480

前営業日終値 288.4781

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