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タイ中銀、5会合連続で金利据え置き 「水準は中立的」

ロイター / 2024年8月21日 21時10分

 8月21日、タイ中央銀行は予想通り政策金利の翌日物レポ金利を2.50%に据え置いた。写真は同中銀前で2016年4月撮影(2024年 ロイター/Jorge Silva)

[バンコク 21日 ロイター] - タイ中央銀行は21日、現在の金利水準は中立的だとして政策金利の翌日物レポ金利を2.50%に据え置いた。首相交代で財政政策の先行きが不透明となっているなか、据え置きは予想通りで5会合連続。

金利据え置きは6対1で決定。1人は25ベーシスポイント(bp)の利下げを主張した。構造的な問題に伴う潜在成長力の低下と債務者の負担軽減が理由だった。

ロイター調査ではエコノミスト27人中24人が据え置き、3人が25bpの利下げを予想していた。

中銀は「委員会では、現行の金利水準について、潜在成長力に収れんしつつある経済と整合的であり、マクロ金融の安定維持に寄与するとの見解が大勢だった」と述べた。

ピティ・ディスヤタット総裁補は会見で、政策金利は中立的で世界的にみて高くないとし、経済活動を妨げないようにすると指摘。「状況が変われば、中立金利を維持するために調整が必要になる可能性がある。景気刺激策がどう変わるかを見守る必要がある」と述べた。

パンテオン・マクロエコノミクスのアジア新興国担当チーフエコノミストは、民間の内需が弱まる中、10月と12月にそれぞれ0.25%ポイントの利下げが行われると予想。前政権が家計刺激策として打ち出した第4・四半期のデジタルウォレット給付が交代で疑問視されているとし、「実現されなければ経済支援に向けた金融政策への依存度が高まる」との見方を示した。

ロイター調査の予想中央値では利下げは来年第2・四半期以降になるとみられている。

中銀はインフレ率が予想を下回る可能性が高いとし、天候の回復で農産物価格の低迷するとの見通しを示した。

7月のインフレ率は0.83%だったが、年内に緩やかに上昇し目標レンジ(1─3%)内に戻ると予想。政府の補助金が延長される可能性を注視する必要があると指摘した。

経済は予想通り成長する見通しだとも表明。個人消費が減速しても観光業と内需がけん引役になるとの見方を示した。一部の輸出部門で競争力低下が続いており、製造業は緩やかな回復にとどまるとも指摘した。

経済成長率については、第3・四半期が前年同期比で約3%、第4・四半期は約4%と予想した。第2・四半期の実績は2.3%で、第1・四半期の1.6%から加速した。

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