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トランプ米大統領の仮想通貨「$トランプ」発行、利益相反の恐れ

ロイター / 2025年1月21日 11時59分

 1月21日、トランプ米大統領(写真)の就任式を前に、トランプ一族の関連企業が暗号資産(仮想通貨)「$TRUMP」と、トランプ氏の妻メラニア氏の名前を取った「$MELANIA」を発行したことに、専門家らは利益相反の恐れがあると指摘した。写真は米ワシントンでの代表撮影(2025 ロイター)

(見出しと本文で仮想通貨名の表記を修正しました。)

Elizabeth Howcroft Susan Heavey

[パリ/ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領の20日の就任式を前に、トランプ一族の関連企業が暗号資産(仮想通貨)「$トランプ」と、トランプ氏の妻メラニア氏の名前を取った「$メラニア」を発行したことに、専門家らは利益相反の恐れがあると指摘した。

トランプ氏は資産管理を子供たちに委ねると約束したが、暗号資産は透明性が乏しく、数十億ドルもの投機資金を素早く集めることができるため懸念が高まっている。

関係した企業はこれらが投資や証券ではなく、「支援の表現」だと主張している。

トランプ一族が運営するトランプ・オーガニゼーションの関連会社が保有する「ファイト・ファイト・ファイトLLC」はトランプ氏関連の仮想通貨の80%を保有しており、週末に80億ドル相当の資産を得た可能性がある。

倫理アドバイザーや業界の専門家は、これらの価値は間違いなく大統領就任に結び付くものであり、トランプ政権は業界を規制する立場にあるため、これらは投資とは性質が異なると指摘している。

監視団体プロジェクト・オン・ガバメント・オーバーサイトのダニエル・ブライアン代表は、仮想通貨業界の監督が緩いことを踏まえると、トランプ氏の仮想通貨への動きは気になるとして「大統領に代わっての露骨な金銭的利害の対立(中略)それは国家安全保障上の懸念がある世界への彼(トランプ氏)の関わりを深めている」と語った。

トランプ氏の事務所はコメント要請に応じなかった。

著名仮想通貨投資家のニック・カーター氏は、個人の仮想通貨は「私たちの指導者に影響力を行使しようとする秘密主義の外国人バイヤーにも門戸を開いている」と問題視した。

米議会下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ委員長(民主党)は「世界中の誰でも、それが米国から制裁を受けたり、わが国の資本市場への参入を禁止されたりした個人であっても、規制されていないさまざまなプラットフォームを通じて『$トランプ』を取引し、利益を得ることができる」と記した。

一方、トランプ氏関連の仮想通貨が発行されたことはゲームチェンジャーになるとの見方も出ている。仮想通貨マーケットメーカー、ウィンセントのシニアディレクターのポール・ハワード氏は「大統領がこのようなことをすることは業界にある種の正当性をもたらし、業界が過去10年間に見られなかった方向に前進していることを意味すると考えている」と語った。

*見出しと本文で仮想通貨名の表記を修正しました。

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