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英中銀総裁、利上げ前に資産縮小と表明 長年の政策を撤回

ロイター / 2020年6月22日 23時58分

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は22日、持続的なベースで金利を引き上げるよりも前に量的緩和の巻き戻しを開始すべきとの考えを示した。英中銀の長年の政策を撤回するものだ。3月代表撮影(2019年 ロイター)

[ロンドン 22日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は22日、持続的なベースで金利を引き上げるよりも前に量的緩和の巻き戻しを開始すべきとの考えを示した。英中銀の長年の政策を撤回するものだ。

英中銀は先週、債券買い入れ目標を7450億ポンド(9220億ドル)に引き上げた。3月には政策金利を過去最低の0.1%に引き下げている。しかし、ベイリー総裁は、ブルームバーグへの寄稿で、中銀によるこの水準の資産買い入れが「常に当たり前だと見なされるべきではない」と指摘した。

総裁は「金融刺激策から撤退する時期が来れば、私の考えでは持続的なベースでの金利の引き上げを待つのではなく、まずは準備水準の調節を検討するのがベターかもしれない」とした。

英中銀はカーニー前総裁の下では過去に買い入れた資産を売却し始める前に金利を大幅に引き上げると表明していた。

ただ、2008─09年の金融危機以降、英中銀が金利を大幅に引き上げる機会はなく、ベイリー総裁は中銀による高水準の国債保有が永続的なものになることを望まないと表明。「拡大したバランスシートは将来の緊急時の対応余地を制限する可能性がある」とした。

ベイリー総裁はまた、マネー・マーケット・ファンド(MMF)の役割と、それが3月の市場混乱のピークに市場にもたらしたリスクに目を向けたいと表明した。

英中銀による危機開始以降の英公債買い入れは、政府の借り入れニーズの記録的増加をも上回り、政府の支出を中銀が引き受けているとの見方が一部で強まっている。英中銀はこうした見方を否定している。

総裁は「この緊急時の主たる借り手が政府であるという事実は、こうした危機における絶対不可欠な国家の役割を反映しており、基本的な経済学もしくは目標に沿う形で借り入れコストを維持することの重要性と違いはない」と説明。「今回の事態では、中銀が独立し自由に対応できるからこそ可能な措置を求められていた」とし、独立性への疑問にはあたらない、と指摘した。

ベイリー総裁はこうした見解は個人的なものと説明。ただ、金融政策委員会の方向性に影響を及ぼす可能性はある。

野村のエコノミスト、ジョージ・バックリー氏はベイリー氏の見解について、利上げのように影響が大きい措置に踏み切ることなく、債券市場の沈静化に向けここ数カ月の間に買い入れた国債を手放すことを目的としていると指摘。「(買い入れプログラムは)短期的な事象に対応するものであるため、維持する必要はないと考えている可能性がある」と述べた。

また、ベイリー氏の見解表明を受け、英中銀によるイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)導入が一歩近づいたとの見方も示した。

ベイリー総裁はこのほかスカイ・ニュースに対し、債券市場の沈静化に向け中銀が3月に資産買い入れを行っていなかったら、政府は資金調達に窮したと指摘。中銀が介入していなかったら「極めて深刻な事態になっていた」と述べた。

*内容を追加しました。

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