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中国恒大問題、市場への影響注視 景気回復傾向は不変=日銀総裁

ロイター / 2021年9月22日 18時17分

 9月22日、日銀の黒田東彦総裁は22日、金融政策決定会合後の記者会見で、中国恒大集団について、株式市場を中心に国際金融市場で神経質な動きがみられ、リスクは認識されていると述べた。都内で1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 22日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は22日、金融政策決定会合後の記者会見で、資金繰り難に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団について、同社の債務問題を巡る国際金融市場の見方の変化や、それが及ぼす影響を引き続き注視していくと語った。東南アジアからの部品供給停滞を踏まえ、日銀は会合後の声明文で輸出・生産の表現を修正したが、黒田総裁は景気の回復傾向に変化はないと強調した。

黒田総裁は中国恒大集団の債務問題について、あくまでも当該企業の問題であり、中国の不動産業の問題だと捉えるのが適切だとした。中国当局による不動産関連規制が中国経済全体の成長率を阻害することは考えにくいとし、中国経済の状況には引き続き注目していきたいと述べた。

<ワクチン接種の進展などポジティブな面も>

決定会合後の声明文では、「着実な増加を続けている」としてきた輸出や生産の文言を「一部に供給制約の影響を受けつつも、増加を続けている」と修正。個人消費についても、飲食・宿泊等のサービス消費における下押し圧力が依然として強く、引き続き足踏み状態だと表記、「依然として」との文言が加わった。

黒田総裁は、声明文で一部の文言を修正したが「基本的な循環メカニズムや、景気が持ち直している傾向が変わったわけではない」と強調した。

外需について「今の時点で米中の経済が非常に減速して、外需が弱くなっていくという見通しを持つ必要はない」と述べたほか、東南アジアの部品供給停滞が「何カ月も続くということではない」と話した。

黒田総裁は、コロナ感染症が夏にかけて急拡大し、人々の外出や外食に影響が出て、対面型サービスを中心に消費が低迷したのは予想外だったと述べたものの、ワクチンの接種が急速に進んできたことなど「ポジティブな面が加わってきているということも考える必要がある」と指摘。「貯蓄はすごく増えている」とも語り、家計の収入があっても消費に回らないのは国民の慎重な行動によると述べた。

次回、10月の金融政策決定会合では展望リポートを議論する。黒田総裁は、日銀短観や支店長会議などで経済動向を点検していく方針を示した。

<自民総裁選、候補者の見解にはコメント控える>

自民党総裁選を巡っては、市場で、政府・日銀が2013年1月に公表した共同声明が将来的に修正されるのではないかとの思惑が広がっている。

黒田総裁は、日銀法では物価安定を通じて国民経済の健全な発展に資すること、金融システムの安定を図ることが2つの大きな目標、目的に掲げられており、これまでそれに沿って金融政策を運営してきたと述べた。2%の物価安定目標は総裁就任前に決定され、共同声明に盛り込まれたと説明。そうした経緯を踏まえて「これまでも努力してきたし、今後とも引き続き努力していく」と語った。自民党総裁選や候補者の見解については、コメントを控えた。

<みずほのシステム障害、「大変遺憾」>

度重なるシステム障害を受け、金融庁は22日、みずほ銀行と持ち株会社のみずほフィナンシャルグループに対して銀行法に基づく業務改善命令を出した。[nL4N2QO1S8]

黒田総裁はみずほで相次いだシステム障害について「大変遺憾だ」とコメント。日銀も金融庁と連携して実態把握に努めており、「適切に対応していきたい」と述べた。

(和田崇彦、杉山健太郎)

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