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EU、AI包括規制法が成立 世界の基準に

ロイター / 2024年5月22日 9時26分

 5月21日、欧州連合(EU)加盟国は、世界初の包括的な人工知能(AI)規制法案を承認し、同法が成立した。来月発効する。2023年6月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

Foo Yun Chee Tassilo Hummel

[ブリュッセル 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国は21日、世界初の包括的な人工知能(AI)規制法案を承認し、同法が成立した。来月発効する。

法案は欧州委員会が2021年に起草。昨年12月に政治合意にこぎつけ、欧州議会が今年3月に可決した。

米マイクロソフトが出資するオープンAIの「チャットGPT」や、グーグルの「ジェミニ」のような生成AIの人気が高まる中、AIが誤報やフェイクニュース、著作権侵害に加担することへの懸念はここ数カ月で世界的に強まっている。

ベルギーのマチュ・ミシェル連邦政府デジタル化国務長官は声明で「この種の法律としては世界初となるこの画期的な法律は、われわれの社会と経済に機会を創出する面も持つ、世界的な技術的課題に対処するものだ」と指摘。

「AI法によって、欧州は新技術を扱う際の信頼性、透明性、説明責任の重要性を強調すると同時に、この急速に変化する技術が繁栄し、欧州の技術革新を後押しできるようにする」と述べた。

AI法ではリスクの高いAIシステムに厳格な透明性義務を課す一方、汎用AIモデルの透明性に関する要件は比較的軽くなる。

また、政府が公共でリアルタイムの生体認証を監視できるのは、特定の犯罪、テロ攻撃の防止、最も重大な犯罪の容疑者の捜索に限定される。

法律事務所クーリーのパトリック・バン・エーケ氏はAI法がEU域外にも影響を及ぼすと指摘。「AIプラットフォームでEUの顧客データを使用している域外企業は法の順守が必要になる」とし、他の国・地域がEUの一般データ保護規則(GDPR)と同様に、AI法を青写真として利用するだろうと述べた。

新法が適用されるのは26年だが、個人の特徴などに基づき信用力を評価する「ソーシャルスコアリング」や犯罪の予測的な取り締まりなどへのAIの使用は発効から6カ月後に禁止される。

汎用AIモデルに対する義務は1年後、規制対象製品に組み込まれたAIシステムに対する規則は3年後に適用される。

違反した場合、違反の種類に応じて750万ユーロ(もしくは世界売上高の1.5%)から3500万ユーロ(同7%)の制裁金が科される。

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