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情報BOX:バイデン氏が大統領選撤退、次の展開は

ロイター / 2024年7月22日 9時11分

 21日、バイデン米大統領は、今年の大統領選挙戦から撤退すると発表し、米国は未踏の領域に足を踏み入れた。ホワイトハウスで6月10日撮影(2024年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 21日 ロイター] - バイデン米大統領は21日、今年の大統領選挙戦から撤退すると発表し、米国は未踏の領域に足を踏み入れた。

バイデン氏は民主党の大統領候補としてハリス副大統領を支持すると表明した。この発表に先立ち、ロイターは今後の展開について、民主党全国委員会にも名を連ねる選挙専門家、米ブルッキングス研究所のエレーヌ・カマルク上級研究員に話を聞いた。

◎次に何が起こるか

バイデン氏は過去数カ月間、各州などの民主党予備選で約4000人の代議員を獲得している。

これらの代議員は、8月19─22日に開かれる民主党全国大会で通常ならバイデン氏に投票するが、規則によって拘束されているわけではない。代議員は自身の良心に従って投票することが可能であり、つまりバイデン氏以外の誰かに投票する可能性がある。

バイデン氏は、選挙戦から撤退したことで、自身が獲得した代議員を実質的に「解放」した形。他の民主党候補者らによる指名獲得争いに火がつく可能性がある。

消息筋によると、バイデン氏の発表から数時間のうちに、ハリス氏の仲間は代議員や党の要職者に電話をかけ、支持取り付けに動き始めた。

◎バイデン氏の後任は

数人の候補が名乗りを上げる可能性がある。

ハリス氏はその筆頭に挙げられるが、彼女は副大統領としてのスタートがうまくいかず、世論調査の数字も振るわないという独自の問題を抱えてきた。米合衆国憲法は、大統領が死亡、または職務遂行能力を失った場合、副大統領が大統領になると定めているが、党内の候補者選びのプロセスには言及していない。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事、ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事、イリノイ州のJ・B・プリツカー知事らも後任候補に浮上している。彼らはこれまでバイデン氏支持者として同氏の再選を支援する活動を行ってきた。またウィットマー氏はハリス氏を支持すると述べている。

◎候補者選びのプロセスは

民主党の重鎮らによる一種の自由競争になるかもしれない。

バロットペディアによると、2024年の代議員数は4672人と予想されており、内訳は予備選などで選ばれる代議員が3933人、党の上級メンバーで構成される、いわゆる特別代議員が739人だ。

指名獲得には過半数、つまり他の候補者の得票数の合計を上回る票を獲得する必要がある。

ハリス氏の仲間は今、選出された代議員の過半数である1969人の支持を確保し、他の候補者を封じ込めることを試みている。

誰も過半数を獲得できない場合、代議員が自由なエージェントとして党指導部と交渉する「ブローカード・コンベンション(調停集会)」が開かれることになる。ここではルールが制定され、候補者ごとの点呼投票が行われる。

誰か1人が過半数を獲得し、指名候補者となるまでには数回の投票が必要となることもある。民主党が第1回投票で候補者を指名できなかった最後の調停集会は1952年だった。

◎バイデン氏の選挙資金はどうなるのか

バイデン氏・ハリス氏陣営は5月末時点で9100万ドルを集めていたが、これをどの程度容易に他の候補に移管できるかについて、選挙資金法の専門家の見解は分かれている。

ハリス氏も選挙活動の提出書類に名を連ねているため、彼女が候補者となった場合、資金は彼女に移される可能性があると多くの専門家は考えている。移管するには、まずバイデン氏が党の候補者として正式指名される必要があるかどうかについては、やや意見の相違がある。

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