インド政府、経済成長率見通し6.5─7.0％ 前年度下回る

インド政府は２２日、今年度（２０２４年４月－２５年３月）の国内総生産（ＧＤＰ）成長率が６．５─７．０％になるとの見通しを公表した。写真はインドのデリー。（２０２４年　ロイター/Priyanshu Singh）

［ニューデリー　２２日　ロイター］ - インド政府は２２日、今年度（２０２４年４月－２５年３月）の国内総生産（ＧＤＰ）成長率が６．５─７．０％になるとの見通しを公表した。前年度の成長率８．２％を下回る水準となる。

民間エコノミストの予想は６．８─７．２％。インド準備銀行（中央銀行）は７．２％と予測している。

インドのシタラマン財務相が２２日、年次報告書を議会に提出した。２３日には連邦予算の発表を控えている。

インド政府の首席経済顧問を務めるナゲスワラン氏は年報の公表後、記者団に地政学的リスクや保護主義の高まり、サプライチェーン（供給網）への懸念を挙げ、成長が減速すると見通した理由を説明した。

インド経済は堅調に推移しており、ナゲスワラン氏によると、民間投資の回復や、政府のインフラ支出増を背景に、実質ＧＤＰは新型コロナウイルス禍前の水準から５分の１程度増加したという。

一方、過剰生産能力を持つ国からの安価な輸入への懸念が、民間投資意欲を弱める可能性があると指摘した。

年報では、インド経済は、構造改革が実現できれば中期的に７％以上の成長率を確保できると言及。ただ、地政学的な対立が激化すればインフレ圧力が再燃し、インド中銀の金融政策スタンスに影響を与える可能性があるとした。