大国の戦略的攻防、太平洋島しょ国の結束脅かす＝豪シンクタンク

オーストラリアの有力シンクタンク、ローウィ国際政策研究所は、中国と米国および同盟国との戦略的対立の中で、地政学的ショックが政治と安全保障の状況を混乱させ、太平洋諸島地域の結束を脅かす恐れがあると警告した。写真は中国主席・フィジー首相の会談。２０日撮影（２０２４年　ロイター/ANDRES MARTINEZ CASARES）

[シドニー ２１日 ロイター] - オーストラリアの有力シンクタンク、ローウィ国際政策研究所は、中国と米国および同盟国との戦略的対立の中で、地政学的ショックが政治と安全保障の状況を混乱させ、太平洋諸島地域の結束を脅かす恐れがあると警告した。

太平洋島しょ国の年次首脳会議を前に報告書を公表した。

太平洋全体における海軍の動きを監視・制御するなど戦略的な位置にあることから、太平洋島しょ国は世界の主要国の防衛計画で重視されていると指摘。

また、中国ほか、米国とその同盟国であるオーストラリアや日本などの諸国間で、この地域における影響力を巡る激しい競争があるとした。

研究所は「この地域における中国の拡張と活動は不屈に見える」とし、最大の援助国であるオーストラリアを含む米国の同盟国もそれに匹敵すると分析した。

「この新たな『グレートゲーム』に直面した太平洋島しょ国は外交上の価格設定者となって、開発の恩恵を最大限にするため競争の激化を活用している」との見方を示した。

さらに、この「際限なき戦略競争」は健全な統治と透明性を脅かし、太平洋の小規模島しょ国は圧倒される危険性があると警告した。