ユーロ圏総合PMI、8月51.2に予想外に上昇 五輪が寄与
ロイター / 2024年8月22日 19時12分
8月22日、S&Pグローバルがまとめた8月のユーロ圏HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は、市場の悪化予想に反して上昇した。スペイン・ロンダで2022年10月撮影(2024年 ロイター/Jon Nazca)
[ロンドン 22日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた8月のユーロ圏HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は、市場の悪化予想に反して上昇した。サービス業が製造業の不振をカバーした。
製造業とサービス業を合わせた総合PMIは51.2で7月の50.2から上昇。ロイターがまとめた予想(50.1)を上回った。
企業の値上げが加速。総合産出価格指数は52.1から52.9に上昇した。
サービス部門のPMIは53.3で前月の51.9から上昇した。既存受注業務の消化、需要回復が背景。新規事業指数は50.8から51.3に上昇し3カ月ぶり高水準となった。
一方、製造業PMIは45.8から45.6に低下し8カ月ぶりの低水準。生産指数が45.6から45.7に小幅に上昇したものの、先行きの見通しが再び悪化。雇用指数は47.0から46.6に低下し、昨年11月以来の速いペースで人員削減されたことを示した。
<上昇は一時的との見方も>
PMIの発表を受け、欧州中央銀行(ECB)が年内に2回の追加利下げを実施するとの観測が弱まる可能性もあるが、パリ五輪を受けてフランスのサービス部門PMIが急上昇しており、今回の上昇は一時的との見方もある。
ドイツの総合PMIは2カ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回った。
キャピタル・エコノミクスのフランジスカ・パルマス氏は「8月のPMI速報値の上昇は見た目ほど良くない。パリ五輪の効果によるところが大きく、今回の調査では依然として第3・四半期の域内総生産(GDP)鈍化が示されている」と指摘。
「物価上昇圧力は引き続き増大しており、ECBは今後も慎重に行動するだろう」と述べた。
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