米国務長官「従来の人道支援は不十分」、イスラエル首相と会談
ロイター / 2024年10月23日 6時23分
Humeyra Pamuk Maayan Lubell Nidal al-Mughrabi
[テルアビブ/エルサレム/カイロ/アンマン 22日 ロイター] - 中東歴訪中のブリンケン米国務長官は22日、エルサレムでイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、イスラム組織ハマスの最高指導者シンワル氏が死亡した機会を逃さず、ハマスが拘束する人質の解放とガザ地区での停戦を目指すよう促した。
米国務省によるとブリンケン長官は会談でイスラエルのこれまでの人道支援措置は十分ではないと明言し、状況改善に向けて取り組むよう求めた。
ブリンケン長官はネタニヤフ首相や高官らとガザの人道状況について「長時間の会話」を行った。イスラエル側は米国の要請に応じて行動することを約束したという。
また「全ての人質の解放を確保し、イスラエル人とパレスチナ人の双方に永続的な安全保障をもたらす形でガザ紛争を終結させることで、イスラエルがシンワル氏に対する正義を実現した機会を活用する必要性」についても強調した。
国務省高官は「イスラエル側はわれわれの要請に応じて行動し、できる限りのことをすると約束した。その約束を真剣に受け止めているが、重要なのは結果だ」と述べた。
イスラエル首相府によると、ネタニヤフ氏は「シンワル氏を排除したことで人質の帰還、戦争の全目標の達成、戦後の状況に望ましい影響が及ぶ可能性がある」と述べた。
米国務省によるとイスラエル側は、ガザ北部でハマスに対する包囲戦術を使用する方針はないと伝えた。
パレスチナ自治区ガザでの停戦の可能性を巡る言及はなかった。イスラエル側の発表では、前出の国務省高官が言及した保証や人道問題には全く触れていない。
また米国務省によると、ブリンケン長官は前回のイスラエル・ヒズボラ戦争後に採択された2006年の国連決議の実施方法についても協議。これに対しネタニヤフ氏は、ヒズボラの攻撃にさらされていた地域にイスラエル人が安全に帰還できるようにするために、レバノンの安全保障と政治情勢の変化が必要との認識を示した。
ブリンケン長官の中東訪問は昨年10月のガザ危機勃発以来、11回目。
23日に予定していたヨルダン訪問は延期した。サウジアラビアは訪問する予定という。ヨルダン外務省もブリンケン長官の訪問延期を確認。理由については説明しなかった。
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