政府、総合経済対策を閣議決定 事業規模39兆円
ロイター / 2024年11月22日 17時18分
Kentaro Sugiyama
[東京 22日 ロイター] - 政府は22日夕に臨時閣議を開き、国民の安心・安全と持続的な成長に向けた新たな総合経済対策を閣議決定した。財政支出は21.9兆円程度、民間も含む事業規模は39兆円程度とする。今後、対策の裏付けとなる2024年度補正予算を速やかに編成し、国会での早期成立を目指す。
対策は、日本経済・地方経済の成長(財政支出10.4兆円程度、事業規模19.1兆円程度)、物価高の克服(同4.6兆円程度、同12.7兆円程度)、国民の安心・安全の確保(同6.9兆円程度、同7.2兆円程度)の3本柱で構成。すべての世代の現在や将来の賃金・所得を増やすことを最重要課題としている。
企業が賃上げの原資を確保できるようにするため、引き続き価格転嫁や生産性向上に関する環境整備に取り組むほか、新たな地方創生施策を展開する。より物価高の影響を受けている低所得者に対し、住民税非課税世帯一世帯あたり3万円を目安に給付金を支給。そのうち子育て世帯には子ども一人あたり2万円を加算する、などとした。
内閣府は、対策によって実質国内総生産(GDP)を21兆円程度、年成長率換算で1.2%程度押し上げる経済効果が見込まれると試算。物価高対策として行う燃料油、電気・ガス代の負担軽減措置は、25年2─4月の消費者物価(総合)の前年比を0.3%ポイント押し下げると見込む。
国民民主党が求めていた年収103万円の「壁」対策については、25年度税制改正の中で議論し「引き上げる」と明記。暫定税率の廃止を含むガソリン減税については、自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得るとした。
政府は、引き続き日銀と緊密に連携し、デフレからの早期脱却と物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現に向け、一体となって取り組んでいくと表明。日銀には「経済・物価・金融情勢に応じて適切な金融政策運営を行うことにより、賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する」とした。
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