NY市場サマリー(22日)株・ドル上昇、長期ゾーン利回り低下
ロイター / 2024年11月23日 7時22分
<為替> 米国とユーロ圏の経済情勢の違いが一連の経済指標で明らかになったことで、ドル指数が上昇する一方、ユーロが対ドルで2年ぶりの水準に下落した。
この日発表の経済指標では、11月のユーロ圏と英国の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が低下し、共に好不況の分かれ目となる50.0を下回った。
これに対し米国の11月の総合PMI速報値は、金利低下見通しとトランプ次期米政権による企業優遇策への期待を追い風に、2022年4月以来31カ月ぶりの高水準を付けた。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.41%高の107.50。
ユーロ/ドルは0.54%安の1.0416ドル。一時は1.0333ドルと、2022年11月30日以来の安値を付けた。
ドル/円は0.12%高の154.69円。円は先週、1ドル=156円台まで値下がりし、7月以来の水準まで円安ドル高が進んだ。ロイターが実施した調査では、エコノミストの半数以上が日銀は12月の会合で利上げを決定するとの予想を示している。
米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を巡っては、利下げ観測がやや後退。CMEフェドウオッチによると、12月の会合で0.25%ポイントの利下げが決定される確率は52.7%。1カ月前は69.5%だった。
欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中央銀行)などは、景気支援に向け一段と積極的な利下げを実施する可能性が高いとみられている。
ビットコインは9万9697.17ドルと、過去最高値を更新。終盤の取引では1.44%高の9万8496ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 長期ゾーンの利回りが低下した。市場は、連邦準備理事会(FRB)の政策に関するさらなる手かかりとなる新たなデータを待つ中、トランプ次期米大統領の政策が来年の経済に与える影響を引き続き評価している。
12月前半に発表される11月の非農業部門雇用者数と消費者物価指数が、今後の経済の先行きを占う大きな手がかりとなる。
ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチーフ債券ストラテジスト、ガイ・ルバス氏は、「インフレは今のところやや上向きに推移しているようだ。おそらく月ごとのノイズに過ぎないだろうが、それでも私はそれが債券の潜在的リスクだと思う」と述べた。
CMEのフェドウオッチによると、市場は現在、FRBが12月会合で25ベーシスポイント(bp)の利下げを行う確率を53%と織り込んでいる。1月にさらに25bpの追加利下げが行われる確率はわずか11%。
10年債利回りは、取引終盤で2.4bp低下の4.408%。先週15日には4.505%と、5月31日以来の高水準を付けていた。
2年債利回りは2.4bp上昇の4.373%。
2年債・10年債の利回り格差は約4bp縮小し、4bpとなった。
来週は、25日に690億ドルの2年債入札、26日に700億ドルの5年債入札、27日に440億ドルの7年債入札が予定される。
感謝祭の祝日がある来週は、取引量の減少が見込まれる。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 主要株価3指数が週ベースで軒並み上昇して取引を終えた。この日発表された米経済指標で、景気の底堅さが示されたことを受け、市場では安心感が広がった。
小型株で構成するラッセル2000指数は1.8%高。週間では4.3%上昇し、1週間余りぶりの高値で引けた。
一方、米グーグルの持ち株会社アルファベットは1.7%安。米司法省は20日、グーグルの検索市場独占を解消する是正策として、ブラウザー(閲覧ソフト)「クローム」の売却や検索結果の競合他社との共有などを求めた。
AI(人工知能)半導体大手、米エヌビディアは不安定な取引の中、3.2%下落。20日発表した第4・四半期(11─1月)の売上高見通しは市場予想をやや上回ったものの、一部投資家のより大きな期待には応えられなかった。
週足では、S&Pは1.68%、ナスダック総合が1.73%、ダウ工業株30種が1.96%、それぞれ上昇した。
個別銘柄では、米カジュアル衣料大手のギャップが12.8%と急騰。2024年通期の売上高見通しを引き上げたほか、年末商戦は好調なスタートを切ったとの発表が買い材料視された。
税務・会計ソフトウエアを手がける米インテュイットは5.7%安。21日の第2・四半期決算発表で、売上高と利益見通しが市場予想を下回ったことが嫌気された。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.2対1の比率で上回った。ナスダックでも2.42対1で値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回った。
米取引所の合算出来高は134億9000万株。直近20営業日の平均は146億5000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ウクライナ情勢の一段の悪化をきっかけに安全資産としての金の投資妙味が高まり、5日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比37.30ドル (1.39%)高の1オンス=2712.20ドルと、約2週間ぶりに2700ドル台に乗せた。週間では5.5%高だった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ウクライナ情勢の緊迫化を背景とした買いが膨らみ、続伸した。米国産標準油種 WTI1月物は前日清算値(終値に相当)比1.14ドル(1.63%)高の1バレル= 71.24ドルと、中心限月の清算値ベースで11月上旬以来約2週間ぶりの高値となっ た。2月物は1.00ドル高の70.77ドル。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
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