米クアルコム、英アームのライセンス供与適切 米陪審が判断
ロイター / 2024年12月23日 8時26分
ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームがライセンスを巡って米半導体大手クアルコムを相手取って起こした裁判で、米デラウェア州の連邦裁判所の陪審は20日、クアルコムのCPU(中央演算処理装置)がアームとの契約によってライセンスを適切に供与されていると判断した。2023年3月撮影のイメージ写真(2024年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
Tom Hals
[ウィルミントン(米デラウェア州)20日 ロイター] - ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームがライセンスを巡って米半導体大手クアルコムを相手取って起こした裁判で、米デラウェア州の連邦裁判所の陪審は20日、クアルコムのCPU(中央演算処理装置)がアームとの契約によってライセンスを適切に供与されていると判断した。
ただ、陪審が評決を出せなかった争点があったため、審理は無効となった。クアルコムはこの結果で技術革新の権利が確認されたとする一方、アームは新たに訴訟を提起する意向を表明。判事はアームとクアルコムに調停を促した。
8人の陪審員は2日間にわたって9時間余り審議したものの、クアルコムに買収された米半導体新興企業ヌビアがアームとのライセンス契約に違反したかについて、全員一致の評決に達することができなかった。半面、ヌビアを2021年に14億ドルで買収したクアルコムについては、このライセンス契約への違反はないと判断した。
陪審はまた、クアルコムがヌビアの技術を利用して開発した半導体に関して、クアルコムが独自にアームと締結した契約により適切にライセンスを供与されているとの判断を出した。この半導体はクアルコムのパソコン向け市場への参入で主力製品となっており、今回の判断で販売継続に道が開かれた。
アームとクアルコムの対立は、クアルコムが各半導体についてアームに支払うロイヤルティー(権利使用料)が焦点となった。ヌビアはクアルコムより高いロイヤルティーを支払う予定だったが、その後クアルコムはヌビアを買収。クアルコムはアームと独自に結んだロイヤルティーが割安なライセンス契約に基づき、ヌビアの技術を自社の半導体に採用した。
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