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米中古住宅販売、6月は過去最大の伸び 先行きなお不透明

ロイター / 2020年7月23日 1時49分

全米リアルター協会(NAR)が22日に発表した6月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比20.7%増の472万戸と、1968年に統計を開始して以来最大の伸びを記録した。カリフォルニア州サンマルコスで昨年7月撮影(2020年 ロイター/MIKE BLAKE)

[ワシントン 22日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が22日に発表した6月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比20.7%増の472万戸と、1968年に統計を開始して以来最大の伸びを記録した。住宅ローン金利が過去最低水準にあることが追い風となった。ただ在庫が少ない上、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により失業者が多い中、住宅市場の先行きは不透明だ。市場予想は24.5%増の478万戸だった。

5月の中古住宅販売戸数は改定なしの391万戸。2010年10月以来の低水準だった。

6月は4カ月ぶりに増えたものの、販売戸数は依然としてパンデミック前の水準を下回っている。

中古住宅販売は住宅市場の約85%を占める。

6月の前年同月比は11.3%減だった。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク州)のチーフ米国エコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「住宅ローン金利の低下のほか、人口密度が低い地域の住宅への需要増を踏まえると、販売は今後も増加する」と予想。ただ、在庫不足が足かせになる可能性があるほか、新型ウイルス感染拡大を受け導入されつつある制限措置も下方リスクになる恐れがあるとの見方を示した。

連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年固定住宅ローン金利は平均2.98%と、1971年以来の低水準にある。先週発表された6月の住宅着工件数は約4年ぶりの大幅な伸びとなった。

米国では新型コロナの感染件数が再び急増。人口の多い南部や西部では事業を再停止したり経済活動再開の動きを止める地域もあり、新型コロナによる景気低迷からの回復が脅かされている。

米経済は2月に景気後退(リセッション)入りした。失業手当を受けている人は3200万人と極めて高水準にある。

中古住宅販売は全4地域で増加。南部は26%、西部は31.9%、中西部は11.1%、北東部は4.3%、それぞれ増加した。

住宅在庫は前年同月比18.2%減の157万戸だった。販売価格中央値は前年同月比3.5%増の29万5300ドルと過去最高値を付けた。

6月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は4.0カ月。昨年6月の4.3カ月から減った。健全な需給バランスには6─7カ月が適切とされている。

NARは、新型ウイルス感染拡大を受け多くの企業が従業員に対し在宅勤務など柔軟な働き方ができるようにしているため、郊外の一戸建て住宅の需要が高まっていると指摘。エコノミストは、ワクチンが開発されても都市部から郊外への住宅需要のシフトは定着するとの見方を示している。

6月の販売は、一戸建て住宅が19.9%増、集合住宅が29.4%増。住宅在庫は前年同月比18.2%減の157万戸だった。

販売までにかかった日数は24日。前月は26日、前年同月は27日だった。1カ月以内に販売された住宅の割合は62%だった。

初めての住宅購入者による購入は全体の35%。前月は34%、前年同月は35%だった。

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