国連高官「年内の中国新疆訪問望む」、香港の国安法裁判を注視
ロイター / 2021年6月22日 10時27分
6月21日、国連のバチェレ人権高等弁務官は、中国新疆ウイグル自治区におけるウイグル族の人権侵害を巡る報告について調査するため、同自治区を含め中国を年内に訪問する条件で合意できることを期待していると述べた。新疆ウイグル自治区霍城県の「職業訓練センター」で2018年9月撮影(2021年 ロイター/Thomas Peter)
[ジュネーブ 21日 ロイター] - 国連のバチェレ人権高等弁務官は21日、中国新疆ウイグル自治区におけるウイグル族の人権侵害を巡る報告について調査するため、同自治区を含め中国を年内に訪問する条件で合意できることを期待していると述べた。
香港情勢にも言及し、国家安全維持法(国安法)に基づく裁判で香港の司法の独立性が試されるとの見方を示した。
国連人権高等弁務官事務所は2018年9月から中国訪問の条件を交渉している。バチェレ氏が訪問時期に公に言及するのは初めて。
同氏は国連人権理事会で「新疆ウイグル自治区への意味のあるアクセスを含め、訪問の方法について引き続き中国と協議している」とした上で、「深刻な人権侵害の報告が続く中、年内に実現することを期待する」と述べた。
ジュネーブの中国国連代表部報道官は声明で、新疆を含めバチェレ氏の訪問を歓迎するとしながらも、有罪推定の下で「調査」を行うのではなく、協調を促進する「友好的」な訪問でなければならないと強調した。
香港情勢については、1年前に導入された国安法が香港の民主的な場やメディアに「恐ろしい影響」を及ぼしていると述べた。
国安法に基づきこれまでに107人が逮捕、うち57人が起訴され、今週から裁判が始まると指摘。「(香港)基本法に従い、国際人権規約に基づく義務を守る用意があるかどうかという点で、香港司法制度の独立性を試す重要な試金石になる」との見方を示した。
中国の国連代表部報道官は「高等弁務官は中国に対する誤った発言や、中国の主権と司法の独立性への干渉をやめるべきだ」と非難した。
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