トランプ氏、EUへの追加関税警告 中国にも2月から10%検討
ロイター / 2025年1月22日 10時47分
[21日 ロイター] - トランプ米大統領は21日、欧州連合(EU)に関税を課す考えを表明した。また、中国からの輸入品に対して2月1日から10%の関税発動を検討していると明らかにし、合成麻薬「フェンタニル」が中国からメキシコとカナダに輸出されているためと説明した。
トランプ氏は就任初日の20日には公約していた関税を直ちに発動せず、市場や業界団体を安堵(あんど)させたが、この日の発言は幅広い関税を打ち出すトランプ氏の政策を改めて浮き彫りにした。
トランプ氏はホワイトハウスで、中国に対しては自身の1期目にすでに大規模な関税を課したと指摘。また、EUやその他の国も米国との間に貿易不均衡があると述べた。
「欧州連合はわれわれに対して極めてひどい」と改めて非難し、「だから彼らには関税を課すことになる。それが公平さを得る唯一の方法だ」と述べた。
トランプ氏は20日、カナダとメキシコが多数の移民やフェンタニルの米国流入を容認しているとし、両国からの輸入品に25%の関税を2月1日に課すことを検討していると述べていた。
通商担当のナバロ上級顧問は21日、カナダとメキシコに対する関税発動の警告について、不法移民や違法薬物を巡り圧力をかけるためだとCNBCに語った。
トランプ氏は就任初日、連邦機関に対し貿易問題の包括的な検討を4月1日までに完了するよう命令。慢性的な貿易赤字、不公正な貿易慣行、中国などによる通貨操作に関する分析が含まれる。
こうした対応について、米戦略国際問題研究所の通商専門家ウィリアム・ラインシュ氏は、トランプ氏が「やや緩やかに進めることにし、できる限り法的根拠を確保することにしたのだろう」と分析した。
メキシコのシェインバウム大統領は、自国の主権と独立を守るとともに、米国の行動に「段階的に」対応すると表明。ただ、自由貿易協定である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)については2026年まで再交渉しないと明言した。
カナダのトルドー首相は、トランプ氏がカナダに関税を課した場合、あらゆるシナリオに対応する用意があると改めて表明した。
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