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米上院の新型コロナ法案、民主党が阻止 採決へ協議継続

ロイター / 2020年3月23日 14時58分

米上院は22日、1兆ドル超の新型コロナ対策法案の採決に向けた動議を否決した。民主党は医療対策や州・地方当局向けの資金の増額を要求しており、両党は採決を目指して協議を続けている。写真は否決後、議場を離れる議員。(2020年 ロイター/Mary F. Calvert)

[ワシントン 22日 ロイター] - 米上院は22日、1兆ドル超の新型コロナ対策法案の採決に向けた動議を否決した。民主党の反対で、可決に必要な60票(議席数100)の支持が得られず、手続き上のハードルをクリアできなかった。

民主党は医療対策や州・地方当局向けの資金の増額を要求しており、両党はその後も採決を目指して協議を続けたが、行き詰まりを解消できていない。

上院共和党トップのマコネル院内総務は、民主党に対し「妨害」をやめるよう要請。支援を遅らせ、金融市場に打撃を与えていると批判した。

その後、マコネル院内総務は、数時間以内に超党派の合意が成立しなければ、23日に同じ動議の採決を再び行い、民主党が反対するかを見極めると表明したが、23日の採決は上院民主党トップのシューマー院内総務によって阻止された。

マコネル氏は、金融市場のさらなる動揺と、必要な支援の一段の遅れにつながりかねない「無謀な行動」だと民主党を非難した。

一方、民主党は共和党の案を「何の責任も負わない大規模な企業救済」だと指摘し、対立姿勢を堅持した。

同法案は新型ウイルス感染拡大による経済への影響軽減を目指す第3弾となる。国民や小規模事業、航空会社など大きな打撃を受ける産業への金融支援を想定している。

上院民主党トップのシューマー院内総務は法案について、「多くの問題」があると指摘。病院や医療従事者、市や州を犠牲にして企業の利益を優先するものだと批判した。

動議が否決されたことで両党は協議を継続する。民主党のペロシ下院議長は22日、下院民主党は上院案の代替案策定に着手すると明らかにした。

動議の採決後、シューマー氏は地域の医療センター、介護施設、マスクや人工呼吸器、防護具、州・自治体への支援向けにさらなる資金が必要との見解を示した。

ペンス副大統領によると、米国ではこれまでに25万4000人が新型ウイルス検査を受け、3万人超の感染が確認されている。

トランプ大統領は22日、ホワイトハウスでの記者会見で、法案の早期可決を引き続き期待しているとコメント。「(議会は)可決に非常に近いところまで来ている」とし、「可決しなければ驚きだ。共和党には承認の用意があり、仮に法案が可決されなければ、国民は民主党に対しひどく腹を立てるだろう」と述べた。

上院案で異論が出ているのは、企業向け支援に関する条項や、支援先の企業や州・地方自治体の公表を政府が最長6カ月先送りできるとした条項など。

ムニューシン財務長官はFOXニュースの番組で経済対策について、小規模事業向け融資や家計への現金支給のほか、米連邦準備理事会(FRB)が企業支援に活用できる最大4兆ドルの流動性が含まれると述べた。

ロイターが確認した共和党の法案によると、米財務省は条件を満たす企業や州、地方自治体に対し、最大5000億ドルの融資や融資保証、その他の投資を行う権限を与えられる。

このうち最大500億ドルは旅客航空会社向けの融資や融資保証、80億ドルは貨物航空会社向け、170億ドルは国家安全保障の観点から重要な企業に振り向けられる可能性がある。

残りの4250億ドルは、金融機関による企業や州・地方自治体への貸し出しを支援するため、FRBが流動性供給を目的に行う融資や融資保証、その他の投資に振り向けられる。

*内容を追加しました。

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