EU環境相、温暖化ガスの50年実質ゼロ法制化で合意
ロイター / 2020年10月24日 0時30分
欧州連合(EU)の環境相会合が23日開かれ、温室効果ガスの排出量を2050年に実質ゼロにする目標に法的拘束力を持たせる「欧州気候法案」で合意した。写真は2月19日撮影(2020年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)の環境相会合が23日開かれ、温室効果ガスの排出量を2050年に実質ゼロにする目標に法的拘束力を持たせる「欧州気候法案」で合意した。30年の排出削減目標については判断を12月の首脳会議に見送った。
同法は欧州の温室効果ガス削減計画の基礎になり、輸送から重工業まで全ての部門の改革につながるほか、年間数千億ユーロの投資が必要とされる。
会合では、50年実質ゼロ目標を法制化し、達成に向けた進展状況を確認する規則を定めることで合意。加盟27カ国で法案に反対した国はいなかった。ブルガリアは棄権した。
政治的に問題になりやすい30年の排出削減目標については、12月の首脳会議での全会一致を目指す。
EUのティンメルマンス副委員長(気候政策担当)は同法について、「約束を果たさない国に対して法的措置を施す選択肢を欧州委に与える」と話した。欧州では多くの国が新型コロナウイルスの感染拡大を抑制する制限措置を導入しているが、会議は対面形式で行われた。
環境相らは50年実質ゼロを国別の条件ではなく、EU全体の目標とすることで合意。一部の国が大幅な削減をした場合、他の国が一部規制を減免される可能性もあるという。
最終法案にはEU各国と欧州議会の合意が必要。議会は50年実質ゼロを各国の義務としたい意向。スウェーデンやデンマーク、ルクセンブルクなどもこうした考えだ。
環境相は40年の削減目標も設定すべきという見解でも一致した。既存の目標が十分でない場合は、欧州委員会がEUの排出を一段と削減するための法的措置を検討できる。
EU炭素市場では23日朝、環境相会合の合意を見込んで排出枠(クレジット)の価格が5%超値を上げた。EUの目標により、市場に出回るクレジットの供給が逼迫するとみられる。
この記事に関連するニュース
-
欧州委委員長、2029年までの政治指針を発表、競争力強化を最優先(EU)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月30日 0時30分
-
欧州委のフォン・デア・ライエン委員長、2029年までの続投が決定(EU)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月19日 14時50分
-
フォンデアライエン委員長の続投決定=欧州議会
ロイター / 2024年7月19日 1時3分
-
欧州委員長が採決控え議会演説、防衛強化と気候変動対策の継続表明
ロイター / 2024年7月18日 20時34分
-
森林由来のJ-クレジットによるカーボンオフセットの取り組み開始 約10年分の温室効果ガス排出量を実質ゼロへ
PR TIMES / 2024年7月15日 1時40分
ランキング
-
1「キャンプブーム」は終わった アウトドア業界はどの市場に“種”をまけばいいのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月31日 7時30分
-
2「身代金」「初動対応」、"KADOKAWA事件"の教訓 凄腕ホワイトハッカーが語る日本企業への警告
東洋経済オンライン / 2024年7月31日 8時0分
-
3トヨタ自動車、国交省「是正命令」受け謝罪 型式指定不正の原因は「現場と経営の両面」体制見直しへ
ORICON NEWS / 2024年7月31日 17時47分
-
4【速報】日銀が追加利上げを決定 政策金利0.25%程度に 長期国債買い入れは26年1~3月に月間3兆円程度に
日テレNEWS NNN / 2024年7月31日 13時12分
-
5日銀、追加利上げ決定=政策金利0.25%に―国債購入、月3兆円に段階縮小
時事通信 / 2024年7月31日 13時44分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)