米コロナ死者50万人突破、「政治的分断」が起因とファウチ氏
ロイター / 2021年2月23日 15時54分
[ニューヨーク/シカゴ 22日 ロイター] - 米国で22日、新型コロナウイルス感染症による累計の死者が50万人を突破した。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まってから、米国民の673人に1人が犠牲になったことを意味する。
バイデン米大統領はこの日、ホワイトハウスで開催した新型コロナ犠牲者の追悼式で演説し、米国民に対し、党派的な対立を脇に置いて新型コロナとの闘いで団結するよう呼び掛けた。
バイデン氏は「われわれはきょう、非常に残酷で悲痛な節目を迎えた。このパンデミックで1年間に50万0071人の方々が亡くなった。これは第1次世界大戦、第2次世界大戦、ベトナム戦争を合わせた死者よりも多い」と指摘。
「国家として、このような残酷な運命を受け入れることはできない。われわれは長い間、このパンデミックと闘ってきたが、悲しみを感じなくなることに抵抗しなければならない」と訴えた。
また、国民に対し、新型コロナの感染予防に引き続き注意を払い、マスク着用や社会的距離の確保を継続し、ワクチン接種を受けるよう呼び掛けた。
バイデン氏の演説後、バイデン氏とジル夫人、ハリス副大統領と夫のダグ・エムホフ氏は犠牲者に黙とうをささげた。
また、ホワイトハウスのサキ報道官によると、バイデン氏は、連邦政府の建物や軍施設で今後5日間、国旗を半旗にするよう指示した。
ロイターの集計によると、死者は22日午後時点で50万0264人に達した。1日当たりの死者数は減少傾向にあり、国内のワクチン接種計画も進んでいるものの、米国の累計の死者の46%は昨年12月から2月に集中している。
また、米国の新型コロナ死者は世界全体の約19%を占める。米国の人口が世界の4%である事実を踏まえると、死者数は極めて多い。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はABCニュースの番組に対し、「驚くべき数字」とし、米国が高度に発達し、裕福な国であるにもかかわらず、「他の大半の国に比べ、米国の対応が劣っていたと言える」と語った。
同氏はまたロイターとのインタビューで、「政治的な分断」が死者の多さに大いに起因しているとの認識を示した。米国では政治的な対立により国内が分断される中、新型コロナのパンデミックが発生し、マスク着用が公衆衛生上の対策というよりも、政治的な意見の象徴になったと指摘した。
米国のコロナ感染者数は累計2800万人を超え、世界の感染者数の約25%を占める。しかし、1日当たりの新規感染者数は約7万人と、1月8日の約30万人から減少している。
米疾病対策センター(CDC)によると、これまでに国民の約15%が少なくとも1回目のワクチン接種を済ませている。現在の接種ペースでは、人口の75%が接種を終えるのは11月末ごろの見通し。
*ファウチ氏のコメントを追加しました。
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