オミクロン株、南ア研究で明るい兆しも WHO「判断時期尚早」
ロイター / 2021年12月23日 9時0分
12月22日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株を巡り公表された南アフリカのデータでは深刻度合いについて明るい兆しも出ている一方、世界保健機関(WHO)の担当者は確固たる結論を出すには時期尚早だと警告した。写真は20日、米首都ワシントンで、新型コロナの検査を受けるため消防署に設けられた会場に並ぶ人々(2021年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[ジュネーブ/ヨハネスブルク 22日 ロイター] - 新型コロナウイルスのオミクロン変異株を巡り、22日に公表された南アフリカのデータでは深刻度合いについて明るい兆しも出ている一方、世界保健機関(WHO)の担当者は確固たる結論を出すには時期尚早だと警告した。
パンデミック(世界的大流行)下で2回目となるクリスマスを数日後に控え、各国は国民に新たな制限を課す一方で、このウイルスが自国経済に与える影響を懸念。ロンドンからニューデリーまで、クリスマスパーティーやお祝いイベントの計画は不安の中で軒並み中止となった。
オミクロン株は先月、アフリカ南部と香港で初めて検出された。暫定的なデータでは、この変異株が出現する前に開発されたワクチンに対する耐性が高いとされていた。
しかし、南アフリカの国立伝染病研究所(NICD)の科学者は、国内でオミクロン変異株が最初に検出されたハウテン州で、1日当たりの感染者の減少と検査での陽性率低下が確認されたとし、感染が約1カ月でピークを迎えたもようだという認識を示した。
さらに、一段のデータが必要としつつも、入院者や死者が過去の感染の波ほど増加しておらず、重症化リスクが限定的な可能性があるとして、「ポジティブな情報」と指摘した。
NICDのシェリル・コーエン教授は「南アフリカでは疫学的に見て、オミクロン株はそれほど深刻ではない様子を示している」と述べた。
ただ、NICDは、南アフリカでは新型コロナに感染したことのある人が多いため、免疫力が高い可能性があることも指摘している。
また、ロンドンのインペリアル・カレッジの研究によると、オミクロン株感染者が入院を余儀なくされるリスクは、デルタ株感染者に比べて40─45%低いという。
一方、WHO技術責任者のマリア・バンケルコフ氏はオミクロン変異株について、確固とした結論を下すのに十分なデータはまだ得られていないと指摘。データはまだ「混乱している」と述べた。
WHOの欧州責任者であるハンス・クルーゲ氏はロイターに対し、オミクロン株の深刻さを判断するには3─4週間が必要と述べた。同氏によれば、数週間後にはオミクロン株が欧州における主要なコロナウイルス株となる可能性が高いという。
英国では22日、広範囲な検査が導入されてから初めて新規感染者数が10万人を超えた。多くの産業界が労働者の自己隔離による人員不足に悩まされている。
フランスでは過去24時間に新たに8万4272人の新規感染者が報告され、過去最高に近い数字となった。
クルーゲ氏は「欧州は疑いなく再び世界的なパンデミックの震源地になる」と述べた。ただ、パニックを起こす必要はないとし、ワクチン接種に加え、マスク着用のほか、クリスマスと年末年始に「不要不急の」人との接触を少なくすることで対応する必要があるとの考えを示した。
<広がる制限>
ドイツ、スコットランド、アイルランド、オランダ、韓国では、ここ数日間に部分的または全面的なロックダウン(都市封鎖)やその他の社会的距離確保措置を再導入した。
ドイツ保健相は、全面的なロックダウンの可能性を排除していないと述べた。
イタリアのドラギ首相は、新たな対策を準備中で、より多くの労働者にワクチン接種を義務付ける可能性があると述べた。
スペインでは屋外でのフェイスマスク着用が再び義務付けられた。しかし、サンチェス首相は「心配いらない。家族はクリスマスを祝うことができる」と国民に呼びかけた。
米国では、米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長が新型コロナの7日間の平均感染者数が前週から25%増加し、1日当たり約14万9300人になったと発表した。
バイデン大統領は21日、米国の成人の4分の1がワクチンを接種していないことに対し、その選択が「生と死の違い」を生む可能性があると警告した。
アジアでは、ニューデリーが新年を前にクリスマスなどの祝賀イベントを禁止。中国の西安市当局は1300万人の市民に対し、外出を控えるとともに不要不急の場合は市の外に出ないよう要請した。
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